2015年12月28日月曜日

鳴神山遺跡直線道路遺構の延長部画像解析

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.255 鳴神山遺跡直線道路遺構の延長部画像解析

鳴神山遺跡の直線道路遺構の延長部に本当に古代道路遺構が存在する可能性があるのか、自分なりに確かめてみました。

鳴神山遺跡直線道路遺構の西延長部について、1960年撮影航空写真を使って画像分析してみました。

次に画像分析に用意した画像を示します。

画像分析に用意した画像

原画像は国土地理院が1960年に撮影した航空写真です。

この原画像をPhotoshopで次の5種の加工をしました。
・コントラスト強
・エッジの光彩
・エンボス
・シャープ強
・トーンカーブ補正

5種のそれぞれについて、鳴神山遺跡直線道路遺構がどのように観察できるか、直線道路遺構延長部に線形の模様が観察できるか、検討しました。

5種の加工画像のうちトーンカーブ補正した画像が最も検討に適していました。

トーンカーブ補正画像を使って直線道路遺構延長部に位置する部分で抽出された線形模様を示します。

線形模様(トーンカーブ補正画像)

トーンカーブ補正画像

抽出された線形模様は、模様として画像上に存在していることは事実です。

道路遺構が存在するならば、それは地下にあるので、この模様は道路遺構に起因して生じた様々な二次的事象の総合体であると考えます。

・土層の厚さ等の違いに起因する、土壌水分の相違による地表の色の相違
・土層の厚さ等の違いに起因する、植物生育条件の違いによる作物生育の相違
・遺構存在に起因する土地所有、地割、踏み分け道の存在(この画像の右上端)

なお、自分の観察眼が強い先入観に基づいて、無数に存在する地表模様のなかから、好都合の模様だけ集めてきている可能性が存在します。

次に同じ場所について、2008年撮影カラー航空写真を使って分析してみました。

線形模様(カラー航空写真)

カラー航空写真

カラー航空写真の方が情報量が多いせいのためか、線形模様はより連続して同じ場所に観察できます。

自分の先入観により特定画像特有の模様を都合よく抽出したという可能性は低まりました。

1960年撮影航空写真にも、2008年撮影航空写真にも同じ場所に線形模様が存在しているのですから、その模様は地表に実在する事象です。

画像分析した全体を示すと次のようになります。

鳴神山遺跡直線道路遺構とその延長上の線形模様

この直線道路遺構とその延長上の線形模様を旧版2万5千分の1地形図に概略的にプロットすると次のようになります。

鳴神山遺跡直線道路遺構とその延長上の線形模様(基図は旧版2万5千分の1地形図)

参考 鳴神山遺跡直線道路遺構とその延長上の線形模様(基図は標準地図)
(概略位置を示すだけであり、正確なプロットではない。赤点線の幅程度の誤差の可能性はある。)

自分なりに、鳴神山遺跡直線道路遺構が「本当に道路だ」と納得できる状況に至りました。

道路なら、その延長があり、その延長があれば発掘しなくても何らかの兆候が観察できるに違いないと考えたのですが、その通りになりました。






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