2019年9月3日火曜日

根郷貝塚の地形

縄文土器学習 252

鎌ヶ谷市郷土資料館展示中峠式深鉢形土器(根郷貝塚)の3Dモデルを作成しましたが、この土器をキッカケにして寄り道学習をしています。
この記事では根郷貝塚の地形について3Dモデルを作成して学習します。

1 根郷貝塚の流域内位置

根郷貝塚の流域内位置 地形3Dモデル
根郷貝塚位置:ちば情報マップ埋蔵文化財包蔵地
DEM:基盤地図情報数値標高モデル 5mメッシュDEM
垂直方向10倍

根郷貝塚の流域内位置が谷津本川の大柏川に面する台地ではなく、それに流入する根郷川の中流部で3つの谷津が合流する場所の台地にあります。
これは根郷川に合流する3つの谷津流域をこの貝塚集落が占用テリトリーとしていたからだと推察します。植物性食物を採集するにしても燃料となる薪をとるにしても分業が発明されていない縄文時代にあっては占用テリトリーの存在は必須であったと考えます。3つの谷津流域を占用するにはその合流点に集落を構えるのが最良であり、その下流の大柏川沿いでは十分な監視・管理が出来なかったのだと思います。

根郷貝塚占用テリトリーの想定

2 根郷貝塚の地形

根郷貝塚 埋蔵文化財包蔵地(概略) 地形3Dモデル
根郷貝塚埋蔵文化財包蔵地(概略):ちば情報マップ埋蔵文化財包蔵地
DEM:基盤地図情報数値標高モデル 5mメッシュDEM
空中写真:国土地理院2007年撮影

台地の小さな尾根を集落の場所として選んでいます。
包蔵地のくくりは貝塚集落の広がりと直接関係はないかもしれませんが、参考までに面積を測定すると22800平方メートルとなりました。

包蔵地くくり線資料
ちば情報マップ埋蔵文化財包蔵地から引用

遺構分布図
「千葉県の歴史 資料編考古1(旧石器・縄文時代)」から引用

遺跡の主体部が1次調査の場所で、そこには阿玉台から加曽利EⅠ式までの遺構が多数存在していたが、制約のため7軒確認6軒発掘されただけであったという。
そのうちの1軒から人骨5体と土器が出土し、土器のなかに中峠式深鉢土器が含まれていたということです。

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参考 

根郷貝塚付近の河川名
情報源は国土数値情報河川

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