2019年9月4日水曜日

根郷貝塚学習で生まれた廃屋墓に関する興味

縄文土器学習 253

鎌ヶ谷市郷土資料館展示阿玉台Ⅳ式深鉢形土器(根郷貝塚)の3Dモデルを作成しましたが、この土器をキッカケにして寄り道学習をしています。
この記事では根郷貝塚寄り道学習でうまれた興味(学習課題)のうち廃屋墓に関するものをメモします。

1 廃屋墓の状況
阿玉台Ⅳ式深鉢形土器が出土したJ5住居跡は6体の人骨が検出されています。1号人骨骨盤横下からバンドウイルカ下顎骨製垂飾品が3号人骨右手首付近からイノシシ牙製腕輪が出土しています。
人骨は床面に堆積した暗褐色土層の上に位置し、その上に貝層(混貝土層)が堆積しています。
また3号人骨から6号人骨は重なっている部分があります。

J5号住居跡実測図
「千葉県の歴史 資料編考古1(旧石器・縄文時代)」から引用

J5号人骨出土状況
「千葉県の歴史 資料編考古1(旧石器・縄文時代)」から引用

2号人骨
鎌ヶ谷市郷土資料館展示

2 廃屋墓に関する興味
廃屋墓に関する状況からどのような埋葬活動が行われたか推察することに興味が湧きます。
大膳野南貝塚の学習などから次のような想像をします。
1 J5住居が廃屋になり、恐らく上屋はなくなり、床面に土(暗褐色土)が堆積した。
2 時間差を伴って6人が死亡し、別の場所で殯(もがり)が長期間(長ければ1-2年)行われた。遺体はミイラになった。
3 ある時、集落各所で行われていた殯を区切るため、6体の遺体(ミイラ)をJ5住居跡に埋葬した。
4 3~6号遺体は親族でありわざと遺体に重なる部分を作って、一団となるように配置した。
5 6体の遺体を置いた後、その上に貝(混貝土)を被せ、全体を白っぽくして墓らしくした。

このような想像が合理的なものであるかどうか、今後学習を深めたいと思います。
参考 2017.12.12記事「人骨7体出土縄文時代後期廃屋墓

3 中峠式深鉢形土器の意義
J5号住居跡は集落のなかで重要な埋葬施設であったことは確実です。そこから石鏃・打製石斧・磨製石斧・磨石・凹石・ 石皿・ 砥石・削器・軽石製浮子・ 土器片錘・貝刃などが出土しています。その出土物に混じって阿玉台Ⅳ式深鉢形土器が出土したことになります。
これらの出土物は廃棄物集積場に廃棄されたと考えるのではなく、埋葬場所に置かれたお供え物として考えることが適切であると考えます。
現代人からみると廃用物を廃棄したと見える活動も、縄文時代にあっては死者を弔う祭祀活動(及び住居施設廃絶祭祀)の一環であったと考えます。

J5号住居から出土した阿玉台Ⅳ式深鉢形土器

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