縄文社会消長分析学習 85
単調作業をする中で、縄文社会消長仮説を持つことが学習継続のために必須であることに直面し、急遽想像レベルで作業仮説を作ったので、メモします。
1 単調で根気のいる作業を遂行するためには壮大な作業仮説が必要
現在、縄文社会消長分析学習の一環手始めとして有吉北貝塚学習を進めています。その中の最初の取り組みとして出土土器学習に熱中しています。その学習では発掘調査報告書の実測図や写真をカード化したり、あるいは専門図書掲載の専門家による土器分類データをカード化したりなどの単調で時間がかかり、根気のいる作業が多出しています。これらの基礎データづくりは自分の学習で必須と直観できるのですが、この作業を飽きることなく継続するための「やる気」を醸成するのに苦労しています。その苦労のなかで、自分が壮大で魅力的な縄文社会消長作業仮説を持てれば、作業が困難であってもそれを乗り越えられることに気が付きました。
単調で、長時間かかり、根気のいる作業(例 発掘調査報告書スキャン画像の切り抜きとそのカード化)をしながら、その作業結果が「このような思考に役立つ可能性がある」とより具体的にイメージできないときはただつらいだけで、意味のない惰性の作業ですから、なかなか作業が進みません。ところが、「このような思考に役立つ可能性がある」とより具体的にイメージできたときは、時間を忘れて作業をします。膨大な作業もいろいろな工夫が生まれ、いつの間にか作業が終わっています。
2 加曽利E式土器社会成立に至る社会消長仮説(想像レベル)
加曽利E式土器社会成立に至る社会消長仮説(想像)
・社会変動を巻き起こした背景(要因)として海岸環境の変化を想定します。縄文海進が海退に転じてから縄文中期中葉頃に、一時的に海岸に河口部内湾環境が発達しました。現在の松戸や市川付近の東京湾口、村田川湾口などです。この環境は縄文社会技術レベルで利用しやすく多様形態の漁業が可能になったと考えます。経済生産性が飛躍的に向上したと考えます。
・この地形的環境変化が次のような社会変動を引き起こしたと想定します。
阿玉台Ⅲ式期頃から海岸環境変化により漁業収穫が急増した。
関東各地から海岸部に入植が進んだ。(ア)
漁業活性化により広域社会全体が豊かになった。(イ)
社会変動(ア、イ)により既存社会上部構造の物語(神話)が流動化した。(異型式土器間融合など)
東京湾沿岸漁業集落は特に豊かな社会となった。
豊かな社会における新たな物語(神話)に対応して加曽利E式土器が生まれた。
豊な社会では呪術より実務を優先する文化が生まれ、土偶は利用されなかった。
経済的・文化的発信力のある豊かな社会の物語(神話)は加曽利E式土器とともに広域に広まった。
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