縄文土器学習 551
縄文土器3Dモデルを作成した際、実寸法を付与できれば、簡易的な方法でその容量を測定出来ますので、その手順をメモします。
1 作成方法の概要
縄文土器を回転体に見立て、容量部分(液体の入る部分)の模擬3Dモデルを作成し、その体積をBlenderで計測します。
2 回転体の素となる断面の作成
土器3Dモデルの正面オルソ投影画面を利用して、土器厚を差し引いた液体が入る部分の断面図を作成します。
オルソ投影画面における断面図の作成
作成した断面図(余白透明なPNGファイル)
3 断面図のWabefront(.obj)ファイル作成
断面図(余白透明なPNGファイル)をPhotoshopに投入し、3D機能で新規3Dオブジェクト作成→深度マップからのメッシュ→平面→作成で3Dモデルを作成します。次に3DモデルをWabefront(.obj)ファイルで書き出します。
PhotoshopでWabefront(.obj)を書き出している様子
4 断面図Wabefront(.obj)ファイルをBlenderに投入
断面図Wabefront(.obj)ファイルをBlenderに投入して、メッシュ数を縮減して扱いやすくします。事例ではメッシュ数を×0.02にしました。また、オブジェクトサイズと単位を確認し、必要に応じてオブジェクトの倍率を調整します。
5 回転体作成と体積計測
断面図オブジェクト(平面メッシュ)を真上からオルソ投影で見下ろす状態で、編集モードでスピン機能で回転体を作り、サイドバーで体積を計測します。
断面から360度回転、72ステップで作成した回転体
体積計測している様子
Nキーでサイドバーを表示し、3Dプリント→体積で体積が表示されます。
6 感想
断面図をBlenderに投入して重心位置を求めてパップス-ギュルダンの定理で体積を計測する方法もあります。2021.02.17記事「パップス-ギュルダンの定理による縄文土器体積の求積」
手間数は回転体で体積を計測する方が少なく、また計測誤差が生まれるステップも少ないので、回転体を使う方が効率的でより正確です。また回転体を利用すれば容量模擬3Dモデルという計測証拠を残すことができます。
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