2021年10月22日金曜日

原田昌幸「土偶の多様性」学習感想 土偶大局観

 2021.10.21記事「原田昌幸「土偶の多様性」学習」で論文の内容と感想をメモしましたが、一晩寝る中で次のような新たな感想(想像)が生まれましたのでメモします。

ア 草創期から晩期までの土偶変化を3段階で大局的に捉えられそうです。

イ 草創期から早期の土偶は身につけて、あるいは手に握って、肉体として祈願する道具であったのではないでしょうか。祭壇に安置して拝むような使い方ではないと思います。

ウ 前期土偶は立像化と顔面形成を目指していて、前後の移行型と考えます。

エ 中期から後期半ばまでの立像土偶はほとんどすべての顔面が斜め上を向きます。顔面が上を向いているのは、それを見つめる縄文人と対面するためであると直観します。この場合、土偶と視線を合わせることができるのは1人だけです。つまり、立像土偶(カミ)は個人がカミと直接対話するための道具であると考えます。祭祀そのものは集団で行われたに違いありませんが、土偶の構造は個人祈願用であったと考えます。

オ 後期から晩期にかけての土偶は再び板状になります。土偶は祭壇に水平に安置されたと考えます。その土偶を集団が取り囲んで拝み、祭祀が行われたと想像します。土偶の構造は個人と対面するものから、多数人に対応できるもの、見られやすいものに変化したのだと思います。集団が祈願するのに都合の良いものに変化したのだと考えます。


原田昌幸「土偶の多様性」学習の感想メモ 土偶大局観(想像)


土偶利用の変化

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