2021年10月31日日曜日

市川市出土の勝坂Ⅰ式土器

 八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」で展示されている「深鉢(勝坂Ⅰ式)(市川市鳴神山A貝塚)」の3Dモデルを作成して観察しました。

1 深鉢(勝坂Ⅰ式)(市川市鳴神山A貝塚) 観察記録3Dモデル

深鉢(勝坂Ⅰ式)(市川市鳴神山A貝塚) 観察記録3Dモデル

撮影場所:八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」

撮影月日:2021.10.19


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

模様を見やすくするためにアートフィルター(ドラマチックトーン)で撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 92 images


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開と文様観察


GigaMesh Software Frameworkによる展開図


GigaMesh Software Frameworkによる展開図(色調調整)

隆起線文が口縁部や口縁部から胴部に下がったり、胴部で直線状や渦巻のような文様を形成します。その隆起線文のすぐ外側に結節沈線文と沈刻文が複列に並びます。隆起線文のない空間にも結節沈線文と沈刻文が模様をつくり、器面を埋めます。この土器には縄文はありません。

この土器の文様が何を表現しているのか興味が湧きます。縄文人が意味のない模様を即興で描いたとは考えられません。この土器1つだけの情報から文様の意味を探ることは不可能だと考えられますが、今後の学習材料を増やすためにこの文様から受ける感想(妄想)をメモしておきます。

●妄想

・神話の1場面などのストーリー性のある話を表現していると想定します。

・土器内部と口縁部はカミの住む天上界と想定します。胴部は地上界の出来事を表現するカンバスであると想定します。

・上から降りてくる隆起線はカミが天上界から降臨してくる様子を、下から上る隆起線は我々(この土器を作って利用している縄文人)が生まれ出てくる様子を表現していると想定します。

・上から降りてくる隆起線と下から上る隆起線が接触して(結合して、反応して)、水平にすすんで先が膨らむ隆起線と渦を巻く隆起線が生まれます。水平にすすんで先が膨らむ隆起線は我々(縄文人)が生まれ出て育つ様子を、渦を巻く隆起線は役割を終えたカミが天上界に(渦巻の先端で土器を貫通して土器内部に出て)帰る様子を表現していると想定します。


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