2021年10月18日月曜日

垂飾(ペンダント)スタンプ状土製品(市原市根田祇園原貝塚) 観察記録3Dモデル

 加曽利貝塚博物館で開催中の特別展「-市原市史跡指定-祇園原貝塚 千年続いた縄文のムラ」で展示されている垂飾(ペンダント)スタンプ状土製品の3Dモデルを作成して観察して感想をメモしました。

1 垂飾(ペンダント)スタンプ状土製品(市原市根田祇園原貝塚) 観察記録3Dモデル

垂飾(ペンダント)スタンプ状土製品(市原市根田祇園原貝塚) 観察記録3Dモデル

縄文後晩期

撮影場所:加曽利貝塚博物館特別展「-市原市史跡指定-祇園原貝塚 千年続いた縄文のムラ」

撮影月日:2021.10.07


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.009 processing 71 images


3Dモデルの動画

2 感想

「判面」が白っぽく、握りの部分が黒くなっています。黒い部分が本来のこの土製品の色で、白っぽい部分は被熱の結果ではないかと推定します。

この1製品だけの特徴でスタンプ状土製品が何を目的とするものか判断するのは冒険であるといえます。しかしせっかくですから冒険して楽しむことにします。

このスタンプ状土製品は炉で「判面」を熱して皮膚に押し付けて火傷を起こし、結果として模様のある瘢痕傷身(盛り上がった傷跡…ケロイド)を生じさせる身体変工の道具であると想像します。イレズミだけでなく瘢痕傷身(盛り上がったケロイド)が一緒に行われることは未開社会では極一般的です。


展示説明写真

展示説明写真の例をよく見ると、「判面」模様パターンが幾つかに分類できて「系統」があるような印象を受けます。スタンプによる瘢痕傷身は集落とか家族とかの小グループの識別の意味があるのかもしれません。あるいは大きな火傷に耐えるだけの資質を証明する印であり、つまりリーダー(=社会的地位の高さ)の印としての瘢痕であったのかもしれません。

もしスタンプ状土製品が瘢痕傷身の道具であったとすれば、縄文後晩期には身体変工として少なくとも抜歯、耳朶穿孔肥大化、イレズミ、瘢痕傷身が行われていたことになります。(2021.10.19追記 ペニスも身体変工の対象であったと石棒の様子から推定します。2020.09.15記事「メモ 石棒先端装飾意味と身体変工」)


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