2021年10月7日木曜日

加曽利貝塚博物館特別展「-市原市史跡指定-祇園原貝塚 千年続いた縄文のムラ」の観覧

 加曽利貝塚博物館特別展「-市原市史跡指定-祇園原貝塚 千年続いた縄文のムラ」が令和3年10月2日~12月5日の期間で開催されています。早速観覧してきました。


特別展ポスター

1 特別展の様子

市原市にある祇園原貝塚は、約4000~3000年前(縄文時代後期~晩期)にかけての貝塚で、今年3月に市原市の指定史跡になりました。県内有数の貝塚であり、市原市の「歴史博物館」開館前のプレイベントとしていち早く加曽利貝塚博物館で展示を行うという企画です。


特別展入り口

特別展入り口には貝層剥ぎ取り断面が展示されています。


祇園原貝塚貝層断面

展示は7つのショーケースで行われ、3つのショーケースで縄文土器を、4つのショーケースでテーマ別に主に土器以外の遺物を展示しています。


縄文土器の展示


縄文土器の展示


展示 交易


展示 まつり


展示 よそおい

2 今回の観覧

コロナ禍の影響で博物館観覧は久しぶりです。展示物が多く、興味深いものばかりですから今回1回だけでおわるのではなく、これから何回も観覧して多くの遺物について3Dモデルを作成してそれを使って学習を深めることにします。今回は全遺物をじっくりみて、どの遺物について3Dモデル作成用撮影を行うかおおよその目星をつけることを目的とすることにしました。

観覧していて次のようなことに気が付き、興味を持ちました。

ア 剥ぎ取り断面の中の破砕イボキサゴ

剥ぎ取り断面の貝層の中に破砕イボキサゴの軸が多数残っているように見えます。その大きさは現生イボキサゴより小さいようです。

イ アホウドリ骨製の装飾品

小さなものですがアホウドリ骨製の装飾品が展示されていました。アホウドリはどこで獲ったのでしょうか?興味が深まります。


垂飾(ペンダント)アホウドリ骨製

ウ 異形の顔の土偶

定型的なミミズク土偶や山形土偶に混じって、鼻の穴一つで目が吊りあがった異形の顔のものなどがあります。強い印象を持ち、土偶の意味について感想がとめどもなく生まれました。


鼻の穴一つの土偶

エ スタンプ状土製品

スタンプ状土製品がどのように使われたのか興味を持ちました。


垂飾(ペンダント)スタンプ状土製品

オ 後晩期の土器

後晩期の土器は次回以降じっくり観察することにします。


後晩期の土器

幾つか遺物についてガラス面越しに3Dモデル作成用撮影を行いました。

今回の観覧は遺跡の特性を知るという高い立場ではなく、個別遺物に視線が次々に張り付くという細部重視の立場で楽しみました。


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