八千代市立郷土博物館で開催中の「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」で展示されている人体文付土器(勝坂Ⅰ式)(柏市中山新田Ⅰ遺跡)の3DモデルをGigaMesh Software Frameworkで展開して観察しました。
1 人体文付土器(勝坂Ⅰ式)(柏市中山新田Ⅰ遺跡) 観察記録3Dモデル
人体文付土器(勝坂Ⅰ式)(柏市中山新田Ⅰ遺跡) 観察記録3Dモデル撮影場所:八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」
撮影月日:2021.11.02
展示の様子
ガラスショーケース越し撮影
遠方の像は鏡に反射した土器裏
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 73 images
3Dモデルの動画
2 GigaMesh Software Frameworkによる展開
GigaMesh Software Frameworkによる展開図
GigaMesh Software Frameworkによる展開図(色調調整)
3 メモ
・ほとんど長い四肢だけで人体文を表現しています。胴にあたる部分の存在感はきわめて希薄です。肝心な頭部はめだった表現はありません。肩に該当する部分に刺突による三角形があります。肩を表現するものであるのか、肩にはおる衣服類を表現しているのかもしれません。
刺突による三角形と小突起
類似の肩部刺突文表現は深鉢(阿玉台式・勝坂式・七郎内Ⅱ群)(柏市小山台遺跡)にもありました。
深鉢(阿玉台式・勝坂式・七郎内Ⅱ群)(柏市小山台遺跡)
口唇部に小突起があります。この小突起が頭部を表現しているのかもしれません。首から頭を左に倒して口唇部に乗せているイメージかもしれません。しかしこの土器だけではこの小突起が頭部と判断できるかどうかよくわかりません。勝坂式土器本場ものの人体文土器をいくつか見れば、これが人体文の頭部であるのかないのか、自分なりのイメージをもつことができるかもしれません。なお、三角形も小突起もその位置が体から右に少しずつ(おそらく意図して)ずれています。
・展示の趣旨からして、この土器文様は人体(カミ)を表現していると理解します。(「「人体文」という名称の文様であり、それが人体を表現しているかどうかわからない。」ということではなないと思います。)
・土器に2つの人体文が描かれ、2人の人(の姿をしたカミ)が両手を(握り合って)たずさえて土器を抱えている様子が表現されています。2人のカミがこの土器の機能を保証しているのだと思います。「美味しい調理ができることを2人のカミが共同して祈願している」文様を描いたと想像します。
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