2021年11月11日木曜日

箕輪町郷土博物館観覧

 箕輪町郷土博物館の観覧が実現しました。Twitterでどなたかが紹介していた記事が気になっていた縄文土器展示館です。期待していた以上の知的収穫がありました。特に縄文中期土笛の展示に巡り会えたのはラッキーでした。

1 箕輪町郷土博物館常設展

長野県上伊那郡箕輪町郷土博物館を2021年11月10日訪問観覧しました。特別展「地味だけど推しの資料展」が開催中とのことで入場料は無料でした。

総合博物館であり民俗展示室、自然展示室、考古・歴史展示室があります。考古歴史展示室は縄文、弥生、古墳の遺物が特に充実しているようでした。展示物はそれぞれ興味深いものばかりですが、自分の興味が縄文にあることから、今回は縄文土器・土製品のなかのさらに興味深いモノだけを集中的に観覧し、3Dモデル作成用撮影をしました。

考古・歴史展示室入り口に展示されている顔面把手付土器(縄文時代中期中葉 丸山遺跡)は現在3Dモデルを途中まで作成している顔面把手付大深鉢(伊那市月見松遺跡)と類似の土器であり、興味が深まります。


長野県宝 顔面把手付土器(縄文時代中期中葉 丸山遺跡)

展示土器はどれもこれも興味深いものばかりですが、特に次の3点には視線が釘付けになります。


長野県宝 抽象絵画文有孔鍔付土器(縄文時代中期 上の林遺跡)


長野県宝 唐草文深鉢形土器(縄文時代中期後葉 上の林遺跡)


双口土器(縄文時代前期 荒城遺跡)

箕輪町郷土博物館はこれから2度、3度と訪問して展示土器の学習を深めたい展示施設です。


展示の様子


展示の様子

2 特別展「地味だけど推しの資料展」

開催中の特別展では縄文時代遺物として草創期尖頭器、荒城遺跡出土尖頭器、土偶型土鈴、土笛などが展示されています。このうち土笛は自分は現物を初めて見ました。穴とスリットがあり、穴から息を吹き込み、スリットに指を当てて音階を調整する楽器であることが一目で判ります。土偶祭祀の中で4~5音階の出る土笛による音楽が使われた可能性を指摘した研究論文を学習したことがありますが、まさにそのような土笛を実見できたことは感動です。


土笛(縄文時代中期 御射山遺跡)

長さ7.1㎝、最大径3.9㎝でラグビーボール形をしています。


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