2024年6月28日金曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の出土全遺物の分類

 Classification of all artifacts excavated from the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


A classification of all artifacts excavated from the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound was carried out based on the artifact register. The artifacts were classified into 11 major categories, with bones etc. making up the largest number at 58.7%, followed by pottery etc. at 32.9% and stone tools etc. at 3.8%. The pottery etc. can be classified into six sub-categories: pottery, clay net sinker, clay discs, miniature pottery, clay earrings, and clay products.


有吉北貝塚北斜面貝層の出土全遺物の分類を遺物台帳に基づいて行いました。遺物は11に大分類し、件数では骨等が58.7%でもっとも多く、次いで土器等が32.9%、石器等が3.8%とつづきます。土器等は土器、土器片錘、土製円盤、ミニチュア土器、土製耳飾、土製品の6つに中分類できます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 遺物分類別件数


遺物分類別件数 グラフ


遺物分類別件数 表

遺物台帳の全件数は64044件です。このうち、遺物とは言えない貝サンプル492件と不明32件を除いた63515件を分類しました。

分類は遺物台帳記載「名称」に基づく分類であり、発掘調査報告書掲載情報との対応を確認していません。

この記事では、以下に土器等の情報を分析します。

2 土器等の中分類


土器等の内訳

土偶は出土していません。(北斜面貝層に限らず、有吉北貝塚では土偶は出土していません。)

3 朱塗土器の件数


朱塗土器の件数

土器のうち朱塗土器は583件(2.9%)となっています。土器片錘、土製円盤、ミニチュア土器、土製耳飾、土製品で朱塗の記述のあるものはありませんでした。

4 土器の部位別件数


土器の部位別件数

%でみると、口縁部18.5%、底部5.1%、把手0.9%、土器片75.5%となります。

口縁部と把手の合計は20%弱となりますが、加曽利EⅡ式土器の口縁部面積が土器面積の約20%に該当するので、部位別件数の数値の根拠を加曽利EⅡ式土器形状から確認できました。


加曽利EⅡ式土器の部位別面積

発掘調査時に土器部位別確認を行ったのは、口縁部を起点に土器復元作業を行うことを意識していたのだと考えます。

5 注目すべき土器

有孔鍔付土器11件、異形土器口縁部1件、高台台付深鉢1件、台形土器1件、蓋1件は注目すべき土器です。

炭化物付着土器2件も注目すべきです。

出土状況を記載した「伏ガメ」1件も注目すべきです。

6 出土状況において他の遺物との関連が疑われる土器

遺物台帳に土器以外の遺物が記載されていて、出土状況における土器との関連が疑われます。

土器と骨との関連16件、内1件は頭骨

土器と石との関連4件、内訳…黒曜石1件、礫2件、石1件、



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