Examination of the land division lines of Ningyozuka Kofun in Chiba City - Inner circle of the rear mound
Of the six land division lines of Ningyozuka Kofun in Chiba City, I have examined the inner circle of the rear mound. As described in the excavation report, it is a line at the foot of the upper part of the mound (a line at the end of the mound), but it has been found that it is not practical for construction.
千葉市人形塚古墳地割線6本のうち、後円部内円について検討しました。墳丘上段裾線(法尻線)であることは発掘調査報告書に記述されている通りですが、施工実用性がないことが判明しました。
1 地割線の分布
地割線の分布(整地面から出土した地割線を発掘時空中写真に投影表示した分布図)
地割線にA~Eの呼称を付けました。E線が後円部内円地割線です。
2 地割線の立体表示
これまでの検討で、後円部地割線が指示する高さは次の通り基準単位(24等分値)毎に理解できます。(人形塚古墳の基準単位(24等分値)は約1.03m)
後円部高さの模式的理解
この理解に基づいて地割線を3D空間のなかで表示すると次のようになります。
地割線の立体表示 空中写真は千葉県教育委員会所蔵
3 内円地割線(E線)の意味
内円地割線が墳丘上段裾線(法尻線)を示す設計線であることは既に発掘調査報告書、沼澤論文で指摘されています。
墳丘上段裾線(法尻線)は次の図の通り破壊されにくい特性があり、実際にその特性の通り築造時の姿形状で出土したことはとても重要な情報です。その高さ(37.2m)が地割線が指示する高さ検討の出発つ点となる最重要情報です。
墳丘上段裾線(法尻線)の特性
4 内円地割線(E線)の施工実用性
E線が描かれている整地面の高さは36.5mです。そしてE線が指示している高さは37.2mです。次の図に説明する通り、整地面に描かれたE線を使って上段墳丘盛土工事を開始することはできません。墳丘盛土斜面勾配は2割5分であり、盛土工事を開始するためには1.75m離れた場所に別の盛土開始線を描かなければなりません。
E線に施工実用性がない説明図
整地面に描かれてE線は設計線ですが、施工実用性の無い線であることが判明しました。
発掘調査報告書、沼澤論文ではともにE線を施工実用線としています。立体空間での検討が不足していたようです。
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