2025年2月23日日曜日

テストグリッドの土器3D分布モデル作成 その3斜面貝層

 Creation of a 3D distribution model of pottery in a test grid, Part 3: Sloping shell layer


A 3D distribution model of pottery and earthenware related to the 331 grid slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound north slope shell layer was created.

The pottery excavations are concentrated exactly halfway down the slope shell layer. A major feature is that the boundary line intersects with the shell layer division line. Why this is the case is an important issue to consider.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドの斜面貝層に関わる土器・土製品の3D分布モデルを作成しました。

斜面貝層のちょうど半分下に土器出土が密集しています。そして、その境界線が貝層区分線と交差していることが大きな特徴となています。なぜそうなのか重要な検討課題となります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの斜面貝層における土器3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの斜面貝層における土器3D分布モデル

斜面貝層から出土した土器・土製品を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 観察


観察メモ画像

貝層断面図(XZ象限)に土器をオルソ投影した画像をみると次の4つの分布特性に気が付きます。

1 斜面貝層のほぼ上半分と下半分で土器密度が全く異なり、下半分で土器が密集して出土しています。

2 土器密集域を分ける境界線(図では点線)と貝層区分線(貝層分層線)が交差していて、平行になっていません。

3 土器の密集性に着目すると明らかにクラスタリングできる分布をしています。土器はお互いに等間隔で配置分布しているのではなく、クラスター(凝集)になって分布しています。図では投影していますから、立体空間における実際のクラスターと異なりますが、3D空間で見ると土器分布はクラスターとして分布していることを確認できます。

4 土器クラスターの見かけの分布は斜面方向に連なって分布しているように見えます。

3 メモ

土器密集域を分ける境界線(図では点線)と貝層区分線(貝層分層線)が交差している事実は貝層と土器との関係について、自分が気が付いていない重要な事柄を物語っていると直観しますので、今後検討を深めます。

3D空間のなかで土器破片がクラスターで分布していることが、土器投棄の実際の様子と対応している可能性があるので、その点も検討を深めます。土器破片を投棄するとき、手で持てる程度の量(破片数でいえば数十?)を一度に投棄し、その土器が貝層と一緒に下方流動して、その一度の投棄量に関連する土器クラスターが生まれるという仮説です。

投影断面におけるクラスターではなく、3D空間における立体的土器クラスターを抽出表現する方法を開発しなければなりません。

4 参考


遺物台帳データベースの情報


貝層大区分

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