2025年3月16日日曜日

イルカ下顎骨製腰飾(船橋市高根木戸遺跡)観察記録3Dモデル

 3D model of observation record of waist ornament made from dolphin mandible (Takanekido site, Funabashi City)


I created a 3D model of the observation record of the waist ornament made from dolphin mandible (Takanekido site, Funabashi City) that was exhibited at the Chiba City Buried Cultural Property Research Center special exhibition "Shells and People." Since there are no perforations, which are essential for waist ornaments, and there are X-shaped marks indicating binding marks, I imagined that it was a dagger-like ritual tool, not a waist ornament.


千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「貝と人」で展示されていたイルカ下顎骨製腰飾(船橋市高根木戸遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。腰飾に必須な穿孔が無く、縛り跡を示すX字状痕があるので、腰飾ではない短剣状祭具であると想像しました。

1 イルカ下顎骨製腰飾(船橋市高根木戸遺跡)観察記録3Dモデル

イルカ下顎骨製腰飾(船橋市高根木戸遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「貝と人」

撮影月日:2025.02.25


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.002 processing 62 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 観察

2-1 紐を通す穿孔がない

腰飾として利用するために必須な穿孔がありません。

2-2 X字状痕がある


縛り跡を示すと考えられるX字状痕

3Dモデルを子細に観察すると縛り跡を示すと考えられるX字状痕を確認できます。

3 メモ

2020年12月29日記事「縄文中期箆状腰飾に関する考察メモ その3 疑問・興味・気が付いたこと列挙」で千葉市有吉南貝塚出土の同種腰飾が吊下用穿孔が製品完成後に行われた様子を確認し、かつX字状縛痕を観察して、腰飾利用以前に別のモノに縛って利用されていたことを想定しました。


吊下用穿孔が刺突文様を切っている様子


表面削剥部


短剣の柄 装着想定例

ア 直角の方向…木製柄を短剣直角方向に装着想定した例

イ 延長の方向…木製柄を短剣延長方向に装着想定した例

ウ 滑り止め機能…縄を巡らし滑り止め機能を付加して、その部分を握る柄にした想定例

有吉南貝塚出土腰飾例の検討から、イルカ下顎骨製腰飾(船橋市高根木戸遺跡)の用途は腰飾ではなく、短剣のような儀器だったと想像します。

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