2025年3月2日日曜日

テストグリッドの土器・土製品3D分布モデル作成

 Creation of a 3D distribution model of pottery and clay products for the test grid


A 3D distribution model of pottery and clay products was created to comparatively observe the 3D spatial distribution of pottery and clay products, stone tools and stones, shell and bone products, and bones and fish bones excavated from 331 grids of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した土器・土製品、石器・石、貝製品・骨製品、骨・魚骨の3D空間分布を比較観察するために、土器・土製品3D分布モデルを作成しました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土器・土製品3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土器・土製品3D分布モデル

331グリッドから出土した土器・土製品を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 土器・土製品3D分布モデルの観察メモ

331グリッドから226点の土器・土製品(全て土錘)が出土しています。

崩落層から39点の土器・土製品が出土し、そのうち基底層からの出土は28点となっています。崩落層基底層から出土した土器・土製品は、ガリー侵食により土器・土製品を含む貝層が崩落し、その中の土器・土製品だけがガリー水流で運ばれてきたものと考えることができます。崩落層基底層より上から出土した土器・土製品は、土器・土製品を含む貝層がブロックとなって崩落堆積したものに含まれているものです。

二次堆積崩落層A(K層)から32点の土器・土製品が出土し、そのほとんどが二次堆積崩落層Aの最上部に分布しています。

斜面貝層から155点の土器・土製品が出土しています。3D分布をみると、分層貝層(このブログでは発掘現場で分層された貝層を分層貝層を呼びます。)それぞれの下部に土器・土製品出土が多くなっています。分層貝層の下部とは、その分層貝層がアクティブであった時期(分層貝層に貝殻が投棄されていた時期)にガリー流路に近かった場所です。常時の水流はなかったと考えますが、水辺的環境(湿地など)が存在していた可能性はあります。土器はそのような斜面下部に好まれて投棄されたと考えることができるか、今後検討を深めます。

(以前の記事で、土器が台地面端から投棄され、斜面利用営力により、斜面下部に移動したと考えましたが、そのような状況を示すデータがある一方、分層貝層の分布をみると斜面を下ってその下部で貝殻投棄が行われた証拠もあるので、土器がどこにどのように投棄され、それがどのように移動したか、今後データを増やすなかで、じっくり思考検討することにします。)


土器・土製品分布の11断面オルソ投影図


0 件のコメント:

コメントを投稿