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2026年2月5日木曜日

検討メモ 9断面~13断面の貝層区分の観察メモ

 Observation Notes: Observation Notes on Shell Layer Divisions at Cross Sections 9-13


I have made notes on the issues I noticed and the workarounds I took while observing the shell layer divisions at Cross Sections 9-13. I'm stuck in a "poorly planned, poorly planned rest" situation, and I'm wasting time.


9断面~13断面の貝層区分を観察して生まれた問題意識とその解決のための作業方針をメモしました。「下手な考え休むに似たり」状況に陥って時間浪費が続いています。

この記事は2026.02.05記事「9断面から13断面までの貝層区分総集」の続きです。

1 Xの対比を土器密集を指標に断面対比できるか

・第4ステージのXはガリー本流の急激堆積事象であり、堆積物層相や断面構造的に断面間で対比できます。この対比を確実なものとするために、Xが土器片集中出土層であるという指標で対比できるか、検討することにします。

・13断面Xには「土器混入多」の記載があります。

・既に作成してある土器を含む全遺物3D分布データと断面図の対応関係を可視化して、検討します。

2 ガリー流路下流ほど(9断面→13断面)第4ステージの断面積割合が増える現象について

2-1 第4ステージ断面積が増えることは事実か

・9断面→13断面の順に見かけ上、第4ステージ(Xなど)の断面積が増えます。

・断面図はガリー流路に対して同じ角度で交わっていないので、単純な断面積比較はできません。

・そのため、全断面積に対する第4ステージ面積の比率で比較することにします。

・しかし、表土除去と足場作りのための貝層一部除去情報が欠落していて、本来の貝層断面と調査された貝層断面はかなり違います。

・このような条件で、下流ほど第4ステージの全断面に対する割合が増える現象は事実か確認することにします。

2-2 第4ステージ断面積が下流で増えるとすれば、その理由はなにか

・第4ステージ(Xなど)断面積が下流で増える理由は、その付近のガリー本流の河床勾配が緩やかになり、堆積区間であったためと推定しますが、勾配計測などで確認できか、作業します。

3 ガリー流路下流ほど(9断面→13断面)第5ステージの断面積割合が増える現象について

3-1 第5ステージ断面積が増えることは事実か

・2-1と同じ観点から、下流ほど第5ステージの全断面に対する割合が増える現象は事実か確認することにします。

3-2 第5ステージ断面積が下流で増えるとすれば、その理由はなにか

・北斜面貝層の端で第5ステージ断面積が増えるのですからある程度明白な理由が存在していたと考えます第3ステージは第5ステージと同じ斜面貝層ですが、北斜面貝層の端で断面積が増えていません。

・今は言語化できませんが、第4ステージの挙動と関係があるかもしれないと考えています。


9断面と12断面

4 12断面(貝層分布域)と13断面(非貝層分布域)の関係

・12断面(貝層分布域)と13断面(非貝層分布域)の断面構造は同じであると言えます。ここで、12断面の貝層に対応する13断面の土層はどのように堆積したのか、詳しく検討することにします。

・12断面の貝層は縄文人の貝殻投棄で生成したのですが、それに対応する13断面の土層は、都合よくその時に土層が堆積したのかどうかという問題意識です。

・逆に考えれば、土層の堆積は長期視点ではどの地点にもあり、その土層に貝殻投棄が加わった場所があるということかもしれません。


9断面から13断面までの貝層区分総集

 A comprehensive collection of shell layer divisions from cross sections 9 to 13


I am currently working on a comparison of shell layer divisions in cross sections of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. Using the shell layer division of cross section 11 as a reference, I compared previous and subsequent cross sections and observed the results side by side. I found that the uppermost shell layer (the newest shell layer) develops more toward the edge of the shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層断面図貝層区分の対比作業を進めています。11断面の貝層区分を基準にして前後の断面図を対比し、その結果を並べて観察しました。最上貝層(最新貝層)が貝層縁辺ほど発達する特徴が見つかりました。

1 9断面から13断面までの貝層断面図


9断面


10断面


11断面(基準断面)


30断面(剥ぎ取り断面)


12断面


13断面(貝層分布域外)


断面図位置図

2 ステージ区分図

貝層断面図貝層区分結果を次の基準によりステージ区分(発達順番区分)しました。

第5ステージ S3、D5

第4ステージ R3、X、D4

第3ステージ Q、R1、S1、R2、S2、W、D3

第2テージ H、I、K、W、D3

第1ステージ G、V、D1、D2


9断面


10断面


11断面(基準断面)


30断面(剥ぎ取り断面)


12断面


13断面(貝層分布域外)


参考 14断面


参考 15断面


参考 31断面

3 メモ

3-1 貝層断面構造

貝層分布域の9断面、10断面、11断面、30断面、12断面は同一の貝層断面構造となっています。この構造から次の貝層発達概略を知ることができます。

1 第1ステージ

この付近の台地がガリー侵食により削られ急崖がつくられた。その侵食時のG基底砂層と同時期のV(ガリー流路本流堆積物)、D1、D2が残された。(D1はGより古い可能性があります。Gに貝が含まれるので、前代貝層が存在していた場所にガリー侵食があり、急崖が作られたと考えられます。)

2 第2ステージ

急崖上部が崩落して急崖直下にH、Iが堆積した。一部が二次堆積してKとなった。同期のガリー流路堆積物がW、D3。(H、I、Kに貝(貝ブロック)、遺物が包含されるので、崩落層形成時に同時に貝層形成がおこなわれていたと考えられます。)

3 第3ステージ

Q及び斜面貝層R1、S1、R2、S2とW、D3(ガリー流路堆積物)。(斜面貝層が二枚貝の割合が多い時期(S1、S2)と少ない時期(R1、R2)を交互にして発達した時期)

4 第4テージ

R3とX、D3。Xが急激に発達した時期。(ガリー流路本流の上流で激しい侵食があり、そこで生産された貝殻を含む土砂がこの付近に堆積したと想定します。)

5 第5ステージ

S3、D5。二枚貝の含有が多いS3斜面貝層が分厚く堆積しています。

3-2 層厚変化

・第3ステージの斜面貝層(Q、R1、S1、R2、S2)のボリュームが9断面→12断面で少し小さくなっています。貝殻投棄は貝塚縁辺部で少なくなっていたようです。

・一方、第5ステージの斜面貝層(S3)のボリュームは9断面→12断面で大きくなっています。貝殻投棄が明らかに貝塚縁辺部で最大化しています。

・第4ステージXの層厚が9断面→12断面で大きくなっています。これはこの付近のガリー流路堆積区間の特性を表現しているものと考えます。

・縄文人は、第4ステージでXが分厚く堆積した区間を選んで、第5ステージに斜面貝層S3を意図的に分厚く投棄したのかもしれません。


2025年12月15日月曜日

全貝層区分に名称(符号)を付与

 All shell layer sections have been given names (codes).


All shell layer sections in the representative cross sections (11 cross sections) of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound have been given names (codes). This will allow for a deeper understanding of the individual shell layers.


有吉北貝塚北斜面貝層の代表断面(11断面)の全貝層区分に名称(符号)を付与しました。これで貝層の個別認識が深まります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層11断面の貝層区分名称


有吉北貝塚北斜面貝層11断面の貝層区分名称

G:基底砂層(貝を含む→11断面ガリー侵食地形形成時に貝殻投棄があった証拠)

V:混砂貝層(G当時のガリー流路堆積物)

D2:土層(Vに対応する土層)

D1:崩落砂層(D2の下位にある崩落砂層)

H:崩落層(大きなロームブロックを含む。この場に投棄され形成した貝層がある)

I:崩落砂層

K:黒褐色土(静水堆積物の層相)

W:混砂貝層(kと漸移するガリー流路堆積物)

D3:土層(Wに対応する土層)

Q:混砂貝層(上部は斜面性貝層)

R1:黒褐色混土貝層

S1:混土貝層

R2:黒褐色混土貝層

S2:混土貝層

R3:黒褐色混土貝層

X:混土貝層(R3に対応)

D4:土層(Xに対応)

S3:混土貝層

D5:土層(S3に対応)

2 貝層区分と営力との関係


貝層区分と営力との関係


貝層区分と営力との関係

G:基底砂層(11断面ガリー侵食地形形成時の水流)

V:混砂貝層(ガリー流路水流)

D2:土層(ガリー流路水流)

D1:崩落砂層(重力)

H:崩落層(重力)

I:崩落砂層(重力)

K:黒褐色土(ガリー流路水流)

W:混砂貝層(ガリー流路水流)

D3:土層(ガリー流路水流)

Q:混砂貝層(重力・葡行)

R1:黒褐色混土貝層(重力・葡行)

S1:混土貝層(重力・葡行)

R2:黒褐色混土貝層(重力・葡行)

S2:混土貝層(重力・葡行)

R3:黒褐色混土貝層(重力・葡行)

X:混土貝層(ガリー流路水流)

D4:土層(ガリー流路水流)

S3:混土貝層(重力・葡行)

D5:土層(ガリー流路水流)

3 メモ

全貝層区分に名称(符号)を付与することにより、それだけで貝層個別認識が深まりました。早速、H(崩落層)の由来(崩落システムの合理的イメージ)が脳裏に浮かんできました。


2025年5月27日火曜日

貝層発達史(貝層区分と土器型式)

 Shell layer development history (shell layer division and pottery type)


A 3D spatial analysis of the slope shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound revealed that the shell layer development period was from the Nakabyo to Kasori EⅡ new stage. This is a groundbreaking achievement in that it established a method to link shell layer division and pottery type.


有吉北貝塚北斜面貝層の斜面性貝層について、土器型式との対応を3D空間で分析し、貝層発達時期が中峠式~加曽利EⅡ式新段階であることを明らかにしました。貝層区分と土器型式のリンク方法を確立した点で画期的成果です。

1 貝層区分と土器型式の対応

土器型式情報付土器3D分布モデルと貝層区分を3D空間の中で対応させる

土器3D分布モデルと貝層区分(貝層大区分及び斜面性貝層細区分)を3D空間の中で対応させて、貝層区分別土器型式データ数をカウントして整理しました。カウント範囲は検討空間から1m離れた領域まで含めました。

カウント方法は、検討空間内(10断面と11断面の間、幅2m)は貝層区分3Dモデルに内包されるデータをカウントしました。検討空間外(10断面と11断面からそれぞれ1mまで離れた領域)のデータはそれぞれの断面にオルソ投影して、その場所の貝層区分でカウントしました。

おおよそ、次の対応が観察できました。


貝層と土器型式との関係 表


貝層と土器型式との関係 断面表示

二次堆積層、斜面性貝層R1層、S1層:中峠式

斜面性貝層R2層:加曽利EⅠ式

斜面性貝層S2層:加曽利EⅡ式古段階

斜面性貝層S3層:加曽利EⅡ式新段階

データ(土器3D分布モデル)が流路性貝層に偏っていることと、座標精度がもともと良くないというハンデはあるものの貴重な情報が得られました。斜面性貝層発達の時期的枠のイメージを持つことができました。


R3層と流路性貝層の急激な堆積が対応する

なお、流路性貝層で加曽利EⅡ式中段階が9、加曽利EⅡ式中~新段階が12とデータ数が多くなっています。このデータの空間的層位は流路性貝層の堆積が急激に進行した部分(画像の緑色の部分)であることから、斜面性貝層R3層(褐色貝層)の時期に対応することになります。この対応(R3層と加曽利EⅡ式中段階、中~新段階の対応)はR3層下位のS2層が加曽利EⅡ式古段階に対応し、R3層上位のS3層が加曽利EⅡ式新段階と対応する結果と整合的です。

このことから、R3層の土器型式対応を間接的ながら、次のように考えることができます。

斜面性貝層R3層:加曽利EⅡ式中段階、中~新段階

11断面付近で急激な堆積があり、上流で激しい浸食作用があった時期に上流で大量の加曽利EⅡ式中段階、中~新段階土器が投棄されたことが、結果的に判明しました。

2 貝層と土器型式の対応の考え方


貝層と土器型式の対応の考え方

ポンチ絵に示すように、出土した土器の型式を指標とする場合、斜面性貝層では大雑把ですが、地層累重の法則が成立し、流路性貝層は見かけ上成立しないと考えます。斜面性貝層でも、斜面上部における浸食の影響がありうるので、出土した土器型式の最新のものがその貝層に対応することになります。

3 メモ

有吉北貝塚北斜面貝層の斜面性貝層について、土器型式との対応を3D空間で分析し、貝層発達時期が中峠式~加曽利EⅡ式新段階であることが、今回分析で新たに明らかになりました。この結果のみならず、貝層区分と土器型式のリンク方法を確立した点でも今回研究成果は画期的です。今回の3D空間分析方法は本邦貝塚研究で初出であると考えます。本邦考古学一般でも、地層と土器型式関係の3D空間分析方法という点で初出かもしれません。


2025年3月20日木曜日

貝層区分

 Shell layer division


I decided to divide the shell layers in the study area of ​​the northern slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound based on the three white shell layers. The same shell layer division can be seen in nearby cross sections, so spatial continuity can be confirmed in this shell layer division. Therefore, this shell layer division can be said to indicate the state of change in the development of the shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の検討空間の斜面貝層における貝層区分を3層の白色貝層を軸に行うことにしました。近隣断面でも同じ貝層区分が出来ることから、この貝層区分に空間的連続性を確認できます。従ってこの貝層区分は貝層発達における変化の状況を指標していると言えます。

1 10断面における貝層区分

10断面における貝層区分(原写真は発掘調査報告書から引用、Photoshopでカラー化)


断面の位置

2 11断面における貝層区分


11断面における貝層区分(原写真は発掘調査報告書から引用、Photoshopでカラー化)

3 剥取断面における貝層区分


剥取断面における貝層区分(原写真は発掘調査報告書から引用、Photoshopでカラー化)

4 12断面における貝層区分


12断面における貝層区分(原写真は発掘調査報告書から引用、Photoshopでカラー化)

5 メモ

検討空間は10断面と11断面の間ですが、剥取断面、12断面でも同じ貝層区分S1、S2、S3を確認できます。ただし、12断面ではS1は隠れていて未確認です。

近隣断面でも同じ貝層区分が出来ることから、この貝層区分に空間的連続性を確認できます。従ってこの貝層区分は貝層発達における変化の状況を指標していると言えます。

S1、S2、S3は古→新の年代の違いと対応しています

S1とS2、S2とS3の間は狭い褐色貝層で区切られます。

S1→S2→S3の順に貝層が厚くなります。S3には貝層の中間に褐色貝層が挟まります。

S2とS3の間にはガリー流路における急激な堆積現象が発生しています。

有吉北貝塚北斜面貝層の検討空間の貝層区分を3層の白色貝層で行うことにしました。