この記事では分布状況をGIS上で自由に把握できるような方法の原理を検討します。
墨書土器データベースをGISデータベース化できる原理が判れば、その後の方法改善は急速に進むと思います。
また鳴神山遺跡で墨書土器データベースのGISデータベース化ができれば、萱田遺跡群に戻って萱田遺跡群でも墨書土器データベースのGISデータベース化を行い、これまでの検討をGIS上で繰り返してみて、新たな発見を期待したいと思っています。
次の図は鳴神山遺跡の竪穴住居と掘立柱建物の位置をGIS(地図太郎PLUS)にプロットしたものです。
鳴神山遺跡の竪穴住居・掘立柱建物プロット図
このプロット図の一部を実験区域として設定し、GISデータに遺構番号を記入しました。
GISデータに遺構番号を入れた実験区域
実験区域だけ遺構番号を入れたGISデータをCSVファイルとして書きだし、墨書土器データベースのファイルと並べてみました。墨書土器データベースには緯度・経度欄を新設してあります。
並べた二つのCSVファイルで、手作業で、GISから書き出した緯度・経度情報を、墨書土器データベースにコピーしました。
コピーすることによって、墨書土器データベースCSVファイルがGISデータベースになります。
地図太郎PLUSから書き出したCSVファイルと墨書土器データベースCSVファイル
実験区域における緯度・経度情報のある墨書土器データベース情報の分布
緯度・経度情報をコピーした墨書土器データベースを釈文欄で検索して、「卅」だけのデータファイルをつくり、そのCSVファイルを地図太郎PLUSに読み込むと、その分布図ができます。
絵としては見栄えはしませんが、墨書土器データベースをGIS化できたので、自分にとっては意味の大きな絵です。
同じく「田」の分布、須恵器の分布を示します。
実験区域の「田」の分布
実験区域の須恵器の分布
墨書土器データベースの全ての項目は工夫すれば全て分布図にできます。例えば器の大きさなどもCSVファイルで多少の処理をすれば計測の大小をグラフ表示することも可能になります。
墨書土器データベースをGISデータベース化できるという原理を理解しましたので、今後実際に鳴神山遺跡のデータベースをGISデータベース化して検討していきます。
原理の検討では、全て手作業ですが、今後繰り返し手作業をすればexcelのマクロで作業時間を大幅に短縮する方法等も見つかると期待しています。
また墨書土器データベースは史料1点毎の情報ですが、これを例えば釈文内容別に出土遺構別に数値表示したデータなども作りたいと思います。
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