2012年1月23日月曜日

小崖1

花見川西岸から東岸にかけて発達する小崖1は、それを境に北側で上昇、南側で沈降という地殻変動を象徴している地形です。
この小崖1について確認してみました。

ア 文献
小崖1は戦前の学術論文でも言及されている有名なものです。

戦前学術論文に登場する小崖1
小急崖として掲載されています。(赤色は引用者が塗りました。)
花井重次・千葉徳爾(1939):関東平野の凹地地形について-特に下総台地上の凹地地形-、地理第2巻第2号

この論文では小急崖が台地上の無水谷を截頭していることが記述されています。
なお、この文献では旧版1万分の1地形図を資料にして小急崖を抽出しています。

イ 米軍空中写真
米軍空中写真(1949年撮影)を実体視して小崖1を当時の地形で確認してみました。

米軍空中写真(1949年撮影)判読による小崖1
白線が確認できた小崖

戦後市街地化が行われる前の本来の地形に近い状態の小崖分布を確認できたと思います。

ウ 基盤地図5mメッシュ
基盤地図5mメッシュをカシミール3Dで運用して3Dレリーフ図を作成して、小崖1を抽出しました。

3Dレリーフ図による小崖1
カシミール3D+基盤地図5mメッシュ

基盤地図5mメッシュ(標高)の値は10㎝単位ですが、カシミール3Dによる3Dレリーフ表示は1m単位になります。
この3Dレリーフ図では、ほとんどのところで小崖1の比高は2mで表現されています。

エ 小崖1の常在性
花見川東岸地域は市街地化が激しく、開発に伴って地形の平坦化が進み、谷津地形の多くが失われています。
しかし、上記のイ米軍空中写真とウ基盤地図5mメッシュを比べてわかるように、小崖1は比高が2mという小規模の崖であるにも関わらず、開発により失われている部分が少ないことが特徴的です。
これは、小崖1の南側も北側も平坦な土地が拡がっているため、埋立あるいは削剥により崖を除去できないためであると考えられます。
連続した小崖は土地開発に対して常在性が備わっているようです。

0 件のコメント:

コメントを投稿