2012年1月4日水曜日

谷中分水界の地下構造

5mメッシュ情報に基づき、谷中分水界の縦断図(A-B線)と横断図(C-D線)をカシミール3Dにより作成しました。
断面線は現在の道路に沿って設定しました。

断面線位置図

谷中分水界の縦断図・横断図

縦断形状は花見川三小西側交差点付近を最高点(24m)として北方向(A方向)が下流であり、その方向に下ります。
一方、上流方向(B方向)も長作川支谷(猪田谷津)谷頭侵食部まで下り、谷中分水界の確認ができます。
横断形状は花見川三小西側交差点付近を最低点(24m)とする谷形状をなし、西側の台地との比高は5m、東側の台地との比高は4mとなっています。

千葉県地質環境インフォメーションバンクの情報を検索したところ、花見川三小西側交差点のボーリング資料を見つけました。
この資料を上記地形横断図に垂直方向のスケールを同じにしてはめ込み合成しました。

谷中分水界の地下構造

整理番号12613の資料で、孔口標高TP24.17m、上から深度0.35mまで表土(黒灰)、深度2.80mまでローム(暗褐)、深度4.00mまで凝灰質粘土(乳灰)、深度5.35mまで凝灰質粘土(乳暗灰)、深度6.5mまでシルト混り細砂(暗緑青灰)、深度21.50mまで細砂(暗黄褐)、以下深度33.45mまで記載があります。

このボーリング資料を見て、次のような第一印象を持ちました。
ア 約2.5mのロームの堆積があり、芦太川上流の浅い谷は一種の化石谷であると言えるだろう。
化石谷化した理由は上流部が地殻変動によって失われたためと考えたい。

イ 凝灰質粘土は谷中分水界の上流に広い流域があった時代の谷底の堆積物にちがいない。
従って、凝灰質粘土は下位のシルト混り細砂・細砂と不整合だろう。

幸いこの資料の他に、道路に沿って縦断方向のボーリング資料が多数あることもわかりました。
そこで、芦太川の谷津について地形(5mメッシュ+カシミール3Dで1m単位の地形レリーフ図を3Dで作成できる)とボーリング資料を詳細に対比させれば、有用な情報を得られる可能性がありますので、作業をすすめてみたいと思っています。
そのようなある程度広域的な検討に基づいて、この谷中分水界の地下構造について自分なりの解釈をしてみたいと思います。

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