2013年4月28日日曜日

カシミール3Dでみる花島小崖と芦太川交差部の地形詳細


花見川流域の小崖地形 その14

1 花島小崖と芦太川交差部の地形詳細

カシミール3Dにて詳細な3D地形画像を作成しました。

花島小崖と芦太川交差部の詳細3D地形画像
カシミール3Dで作成
立体感を際立たせるために2秒間隔経緯線を入れてあります。画像中経緯線メッシュの短辺は約50.4m、長辺は約61.6mであす。

この詳細3D地形画像にこれまでの検討で判明した地形を書き込みました。

花島小崖と芦太川交差部の詳細地形分類
小崖が台地面だけでなく、谷津谷底をも切って段差が生じていることが明白に示されています。
また、小崖地形が東京湾水系の谷頭浸食を受けている様子も示されています。

こうした詳細地形分類の画像に地図をオーバーレイした画像を示します。

詳細地形分類画像と25千分の1地形図画像をオーバーレイした画像

詳細地形分類画像と数値地図情報をオーバーレイした画像
これら画像により、現場の地物と地形との関係をより具体的に知ることができます。

2 谷津交差部における小崖の比高
次の図は谷津交差部における小崖比高を知らべるための断面線位置図です。

断面線位置図
A-Bは芦太川本川の谷津です。C-Dは芦太川支川谷津です。

次にこれら断面線による地形断面を示します。

谷津交差部における小崖の地形断面図
5mメッシュ標高データ(10㎝刻み)を地図太郎で作図(断面の精度は10㎝刻み)

双方の断面の場所ともに市街地化が進んでいて、厳密な意味での自然地形は残っていませんが、自然地形を類推できるに値する地形は残っていると考えます。

A-B断面の小崖比高は5060㎝程度です。C-D断面は3m程度あります。その差が大きくきわめて特徴的な小崖比高の違いが明らかになりました。
この差が生じた理由は次のようなモデルによって単純化して考えることにより、合理的に納得することができます。

ステージ1
下総上位面に谷津が形成されていた時代に最初の断層運動があり小断層崖が形成された。
・この時、断面C-Dの谷津は支川谷津で流量が少ないので小断層崖でせき止められてしまった。
・一方、断面A-Bの谷津は本川谷津であり、流量が多いので、小断層を乗り越えて流れ、断層崖を浸食して河道を維持した。

ステージ2
その後断層運動は継続的に発生し、小崖は比高を増した。
・断面C-Dでは断層運動垂直成分全ての量が小崖に加算された。
・断面A-Bでは断層運動垂直成分全ての量が河川によって下方浸食され、小崖地形は形成されなかった。

ステージ3
ある時点で、断層運動が活発になった。
・断面C-Dでは断層運動垂直成分全ての量が小崖に加算された。
・断面A-Bでは断層運動垂直成分全ての量を河川が下方浸食することが出来なくなり、河川は堰き止めれ、小崖地形が形成されるに至った。

ステージ4
その後断層運動が続いた。
・断面C-Dでは断層運動垂直成分全ての量が小崖に加算された。
・断面A-Bでも、断層運動垂直成分全ての量が小崖に加算されるようになった。


断面C-Dでは14の時期全ての断層運動垂直成分に対応した小崖(断層崖)が形成されました。

断面A-Bでは34の時期だけの断層運動垂直成分に対応した小崖(断層崖)が形成されました。

このモデルは、より単純化すれば、ステージ1とステージ3だけで成立します。

つづく

このシリーズ「花見川流域の小崖地形」の過去記事は特設サイトでも閲覧できます。

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