2013年4月12日金曜日

花見川流域小崖地形の自然史上の重要性とその調査について


花見川流域の小崖地形 その1

小崖地形の3d表示例
2013.04.06記事「「立川断層トレンチ公開のお粗末」記事の海老川乱歩さんのコメントに寄せて」で掲載した小崖の現場写真付近の3D画像
標高データ(5mメッシュ)からGISソフト地図太郎により段彩表示+経緯度線追加(5秒刻み)した画像を作成し、その画像を3D表示ソフトカシミール3Dにより3D表現した。
高さ倍率は20倍で作図

説明図例

小崖の風景写真例

1 小崖地形の自然史上の重要性
花見川流域の小崖地形については、これまでこのブログでたびたび記事にしてきました。小崖地形を断層地形であると捉え、次のような点から興味を持ってきました。

ア 小崖地形形成(断層活動)が台地の谷津発達パターンを規定した。
・関連記事の例 2012.02.29記事「小崖2に起因する谷津パターン

イ 小崖地形形成(断層活動)が台地上に湖沼(長沼)を発達させた。
・関連記事の例 2012.03.20記事「古長沼の成因

ウ 小崖地形形成(断層活動)が花見川河川争奪発生の不可欠要因としてかかわった。

エ 小崖地形と活断層との関係
・関連記事の例 2012.07.14記事「海老川乱歩さんの大発見(!)

オ 小崖地形と人間活動とのかかわり
・関連記事の例 2012.02.14記事「小崖1の存在を意識した地名
記事にはしていませんが、小崖と土地利用や道路発達との関係なども興味を引きます。

このように小崖地形は花見川流域の自然史を考える上で(同時に人間活動を考える上でも)きわめて重要な地学現象です。

2 小崖地形の市民グループによる調査企画
花見川流域の小崖地形は、重要な現象であるにも関わらず、これまでほとんど注目されたことはありませんでした。
私が知っているのは戦前の花井重次・千葉徳爾の論文(2012.01.23記事「小崖1」)にこの小崖地形が触れられているだけです。
従って、小崖を調査検討する価値は大きなものがあると思います。

そこで、小崖地形についてある程度体系的かつ本格的に調査検討することとします。
小崖地形の調査はこのブログで呼びかけて、もし興味のある方がいらっしゃれば、調査グループをつくって、ご一緒に行いたいと思っています。
その調査では小崖地形の現場調査や専門家ヒアリングなどを行いたいと考えています。調査活動企画の詳細は今後立案して、このブログで公表する予定です。

3 小崖地形の予察検討
さて、このような調査グループによる調査実施を念頭において、小崖地形について予察的な事前検討を行い、その結果をしばらくブログ記事として連載していきたいと思います。

予察検討では
1 小崖地形の形状の検討
2 小崖地形の分布の検討
3 小崖地形の地質の検討
などを手持ちの資料やツール、公表されている情報に基づいて行います。

予察検討の目的は小崖地形の成因が断層活動による可能性が高いことを示すことにあります。

まず、小崖地形の形状検討から入りたいと思います。

つづく

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2 件のコメント:

  1. 海老川(Ebigawa) 乱歩(Ranpo) です。

     3D表示ありがとうございました。

     崖とはちょっと関係ない話になってしまうのですが、鉄道連隊習志野線を境に
    花島小学校から芦太川の谷の間で、平山病院がある側と道路(鉄道連隊習志野線)を挟んだ
    向かい側では段差があるのは、平山病院の反対側は、団地造成で土地が削られてしまったのでしょうか。
    (クーラーさんにこんな質問をしてすいません)

     小生が以前住んでいた花見川団地(2-33)のすぐ横(西側)に
    段差(芦太川の河岸段丘状の地形と思われる)がありました。
    どいう訳か、小崖2(柏井の西谷津の谷頭の西側)と小崖1の間の芦太川の谷の東岸だけ
    河岸段丘状の地形になっている事がこの3D表示で確認できました。

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  2. 海老川乱歩さん
    コメントありがとうございます。

    演習線路北側は花見川団地造成で改変されてしまったのだと思います。記事で説明します。

    現在の地形はどこでも大なり小なり人工化していると思います。現在の地形がどの程度本来の自然地形を反映しているものなのか、過去の資料(地図)で確認する必要があります。

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