千葉県の自然誌の内9冊を図書館館外貸し出しで2週間利用しました。この本を紹介し、感想を述べます。
1 千葉県の自然誌 紹介
千葉県では千葉県史全51巻を発行していますが、その中の自然誌系12巻を「千葉県の自然誌」という名称で発行しています。(歴史系39巻は「千葉県の歴史」という名称で発行しています。)
千葉県の自然誌 全12巻の内容は次の通りです。
区分
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書名
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発行年
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備考
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本編
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40 千葉県の自然
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1996年
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A4判 789頁
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41 千葉県の大地
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1997年
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A4判 823頁
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42 千葉県の気候・気象
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1999年
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A4判 820頁
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43 千葉県の植物1-細菌類・菌類・地衣類・藻類・コケ類-
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1998年
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A4判 837頁
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44 千葉県の植物2-植生-
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2001年
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A4判 850頁
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45 千葉県の動物1-陸と淡水の動物-
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2002年
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A4判 988頁
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46 千葉県の動物2-海の動物-
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2000年
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A4判 850頁
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47 変わりゆく千葉県の自然
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2004年
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A4判 830頁
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別編
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48 千葉県地学写真集
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2005年
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A4判 466頁
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49 千葉県植物写真集
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2005年
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A4判 409頁
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50 千葉県動物写真集
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2005年
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A4判 464頁
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51 千葉県植物誌
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2003年
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A4判 1181頁
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2 利用した感想
千葉県の自然誌はこれまで何度か図書館で利用したことがあるのですが、あまりに大部であり、いつも細かな興味を調べる自転車操業的生活をしているので、じっくりこのシリーズ全体を見ることはありませんでした。
しかし、花見川流域地誌をつくろうと思い立ち、準備をはじめ、まず花見川流域の概要について調べることに意識を集中してみると、まとまった情報は「千葉県の自然誌」が最も情報が豊富で、その内容も確かであると気がつきました。
図書館で、本編8巻と別編1巻を借りだし、じっくり利用してみました。
図書館から借り出した千葉県の自然誌9巻
出版年は17年前から8年前までの書籍ですが、当初勝手に思い込んでいた古臭いという印象は全くありませんでした。千葉県の自然の姿を最新の情報で知ることができると思います。
また、千葉県だけに視野を絞るのではなく、広域的な視点から説明してあります。
地学の項目についてはプレートテクトニクスの基本概念を説明するとともに、房総の地層の成り立ちをプレートテクトニクスから説明していて、自分のあやふやな知識を最新知識にアップグレードすることができました。
気候・気象も充実した内容が書かれています。千葉県の特性がよくわかります。この本を読んでいて、思わず花見川谷津の微気象を調べたくなったりしましたが、あまりにも戦線が拡大しすぎるので、気候・気象マターは概要だけに留めることにしました。
動植物の記述は圧巻です。調べたいことがあれば、ほとんどの解答をえることができる百科辞典になっています。
今回の利用目的の自然の概要を知るということから離れますが、「47変わりゆく千葉県の自然」を見ると「自然の人為的変化」や「自然との共存」などの章は高度な検討をわかりやすく説明しています。率直に言って日頃の県行政から受ける印象とは異なり、将来を考えた深い思考がここに表現されています。
私は、重要な図書はできるだけ購入(多くは古書としてWEB通販で格安購入)して図書館利用のわずらわしさに関わらないようにしています。今回「千葉県の自然誌」は重要な図書であることに気がつき、財布の中身と置くスペースの都合が付けば購入もアリかと思っています。
3 プライベイトな感想
千葉県史自然誌系代表者は沼田眞先生(故人)です。沼田先生であったからこそ、このような高度な著作物が出来たのだと納得しました。
沼田先生には40年以上前に「都市の緑地のメタフィジカルな効果」についてご指導していただきました。それ以降もいろいろな局面でお世話になり、西千葉のご自宅にも何回もヒアリングで伺いました。そのような記憶がよみがえり、ますます「千葉県の自然誌」が好きになりました。
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