シリーズ 花見川地峡成立の自然史 -仮説的検討-
第3部 印旛沼筋河川争奪に遡る その17
1 印旛沼筋河川争奪の発生年代
これまでの検討で得られた情報から印旛沼筋河川争奪の発生年代を示すと次のようになります。
印旛沼筋河川争奪の発生年代
印旛沼筋河川争奪の発生年代は下総下位面形成期の最後期とし、約10万年前頃と考えます。
顕著な地形を現在に残している地殻変動は、これまでの観察では千葉第1段丘以降の地形では見られません。
従って、顕著な地形を現在に残している地殻変動が、下総下位面形成後でかつ千葉第1段丘形成前の限られた期間に集中的に生起したものと考えます。
地殻変動そのものはこの期間の前後を含めて継続して存在していたことは当然です。
2 印旛沼筋河川争奪の発生年代と地殻変動時期の解釈(メモ)
・印旛沼筋河川争奪が下総下位面形成の末期頃生じた理由は、海面低下が進み、侵蝕基準面が低下しことが引き金になっていると考えます。
・印旛沼筋河川争奪後、つまり下総下位面形成が終わった後に顕著な地殻変動があった理由の一つに、海面低下による地殻に対する荷重低下が効いていると考えます。
つまり、地球規模の寒冷化により海面が低下し、その影響を受けて印旛沼筋では河川争奪という出来事があり、少しタイムラグを経て顕著な地殻変動が生じたと考えます。
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