2024年9月5日木曜日

人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル

 Clay tablet with human face (Uchino No. 1 Site, Chiba City) Observation record 3D model


I created a 3D model of the observation record of the clay tablet with human face (Uchino No. 1 Site, Chiba City) exhibited at the Kasori Shell Mound Museum special exhibition "Faces of Clay Figurines from the Jomon Period." Based on the principles of cognitive archaeology, I believe that this human face expresses cuteness and youth. From the pattern of two strings tied together on the back, I imagined that this clay tablet was a marriage prayer tool for women to hold in their hands.


加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」に展示されている人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。認知考古学原理からこの人面はかわいらしさ、幼さを表現していると考えます。裏面の2つの紐が結ばれる文様から、この土版は手で握る女性用結婚祈願具と想像しました。

1 人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル

人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」

撮影月日:2024.08.27


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.531 processing 141 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 参考 土偶人面


ミミズク土偶の人面 加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」

同時期ミミズク土偶の人面は目や口がしっかりと造形されていて、人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の人面と比べると、「わいらしさ」、「幼さ」という印象はあまり持てません。「びっくり」の印象はうけます。

3 人面の可愛さ(幼さ)

この土版の人面から受ける印象は可愛さ(幼さ)です。この印象は現代人の多くが受ける印象であると考えます。認知考古学原理から、縄文人がこの人面をつくるときに可愛さ(幼さ)を表現したものと考えます。


認知考古学原理による顔表情の理解

参考 2021.12.15記事「認知考古学の意義について気が付く cognitive archeology

4 人面付土版の理解(想像)

人面付土版の人面表情と、展示裏面の文様(二つの紐(アイテム)が結ばれる文様)から、この土版は手で握る女性用結婚祈願具であると想像します。


人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の理解(想像)

土版本来の表面、裏面は展示と逆であると考えます。人面(赤ん坊)は女性が渇望するものですが、あくまでも結婚の副産物であり、この土版の主題は「二つの紐(アイテム)が結ばれる文様」=結婚であり、その文様面が表面と考えます。

表面を右手で握った時にできる擦り跡(微細な欠損)が観察できます。

今風に言えば、千葉市内野第1遺跡に結婚式場があり、その結婚式場にこの儀器が備えられていて、近在人々の結婚がある時に、この結婚式場が使われ、花嫁がこの人面付土版を右手で握ってふりながら結婚の誓いを述べた…、というような情景で使われたと夢想します。


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