2025年5月28日水曜日

土器3D分布の特徴

 Characteristics of pottery 3D distribution


Looking at the 3D distribution of pottery, we were able to observe a notable feature that the dense area exists at or near the lower tip of the white shell layer. This can be observed in the actual cross section of the peeled pottery. Why this is the case is an interesting topic for future investigation.


土器の3D分布をみると、密集域が白色貝層の下方先端あるいは先端付近に存在するという際立った特徴が観察できました。その様子は剥ぎ取り断面で実物観察できます。なぜそうなのか、今後の興味ある検討課題です。

1 土器3D分布の特徴

斜面性貝層細区分別土器・土製品件数

斜面性貝層細区分別土器・土製品件数をみると、同じ白色貝層でもS2層の土器・土製品件数がS1層、S3層より多くなっています。

土器3D分布の特徴

土器の3D分布をみると、密集域(※)が白色貝層の下方先端あるいは先端付近に存在するという際立った特徴が観察できます。その様子は剥ぎ取り断面のS1層下方先端、S2層下方先端で実物観察できます。

※ 土器の密集域:3D 空間における土器(ここでは土製品を除いている)データ個々について、半径20㎝空間に別の土器が存在する数をカウントして、その数で分級して、密集度を算出し色分けしました。ここでは半径20㎝空間に3個以上の他の土器が存在する場合を赤表示し、「密集域」としました。

土器密集域が白色貝層下方先端付近に形成されている様子の検討・解釈は、北斜面貝層全体の観察データ蓄積を踏まえ行うことにします。


剥ぎ取り断面の土器片

2 斜面性貝層における貝殻・遺物の挙動


斜面性貝層における貝殻・遺物の挙動

斜面性貝層では、土器や貝殻は投棄された当初、重力や浸透水、霜柱、踏圧などの影響で下方に移動していると考えられます。しかし、その移動量は現状では不明です。本研究では遺物3D分布の諸状況から、平均的下方移動量はさほど大きなものではないとイメージし、分析では考慮していません。


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