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2026年7月27日月曜日

斜めスナップ写真の正面オルソ投影化 その1 QGISジオリファレンス利用

 Converting Oblique Snapshots to Frontal Orthophotos (Part 1): Using QGIS Georeferencer


I decided to explore techniques for converting oblique snapshots into frontal orthophotos. First, I tested the capabilities of the QGIS Georeferencer, and the results were better than expected.


斜めスナップ写真の正面オルソ投影化技術を検討することにします。まずQGISジオリファレンスでどこまで出来るのか試しました。思った以上に好成績です。

1 元写真


元写真

有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面(剥取前断面)を例としました。

2 正面オルソ投影資料


正面オルソ投影資料

剥取断面の貝層断面図(セクション図集成図)です。

正面オルソ投影資料の向きに合わせるために、元写真を左右反転させます。


元写真左右反転写真

3 QGISジオリファレンス


QGISジオリファレンス画面(写真と資料の対応点)


QGISジオリファレンス画面(ジオリファレンス結果、変換タイプ…投影変換)

対応点から伸びる赤ヒゲ(残渣ベクトル)が小さく全体に誤差が小さくなっています。

4 ジオリファレンス画像と正面オルソ投影資料のオーバーレイ


ジオリファレンス画像と正面オルソ投影資料のオーバーレイ

正面オルソ化写真

5 メモ

ジオリファレンス画像と正面オルソ投影資料のオーバーレイを子細に観察すると、全体の印象ではQGISのジオリファレンス機能を使って、ここまで出来るという肯定的感想が生まれます。同時に境界線と画像が離れている場所もあり、これを持って最終結果にはできない、さらに微調整が必要であると考えます。

次の記事で微調整を試みてみます。

2024年9月6日金曜日

千葉市人形塚古墳全体図を標準地図にジオリファレンス

 Georeferencing the whole map of Ningyozuka Kofun in Chiba City to a standard map


The Ningyozuka Kofun, located in Oyumino, Chiba City, is the only kofun in Japan where the mound filling guide lines from the time of construction have been excavated as remains. I decided to re-study this kofun using 3D technology. To start with, I georeferenced the whole map of the kofun to a standard map using QGIS.


千葉市おゆみ野に存在した人形塚古墳は、築造時の墳丘盛土指示線が遺構として出土した全国唯一の古墳です。この古墳を3D技術を使って再学習することになりました。手始めに古墳全体図をQGISで標準地図にジオリファレンスしました。

1 人形塚古墳の概要


人形塚古墳の場所

・村田川下流北岸台地上に形成された椎名崎古墳群中の前方後円墳で、明治年間に武人埴輪が出土しています。

・1986年度に発掘が行われ、顎ひげのある人物埴輪など多数の埴輪が出土しています。埋葬施設は2基あり、銀装飾り太刀1振りを含む14振りの太刀・50本以上の鉄鏃・玉類などが出土しています。

・墳丘の形態は二段築成の前方後円墳で、墳丘全長41m、後円部径25m、前方部幅30m、後円部高2.8m、前方部高3.2mで長方形の二重周溝を巡らしています。

・古墳墳丘下の旧地表面から幅約20cm、深さ3~7cmの断面「U」字形の溝状遺構が検出されました。

・溝状遺構は墳丘工事における盛土指示線(墳丘工事計画線)と考えられ、全国で唯一の事例です。


人形塚古墳全景と墳丘下旧地表面の溝状遺構

人形塚古墳全景は「千葉県の歴史 資料編 考古2(弥生・古墳時代)」(千葉県発行)から引用

溝状遺構は「平成20年度出土遺物巡回展 房総発掘ものがたり-おゆみ野編-」(財団法人千葉県教育振興財団)から引用

20215.03.29記事「古墳築造時の構造物法線(現場指示地割線)が出土したという事実を知る」

2 人形塚古墳の学習

人形塚古墳は墳丘工事計画線が出土するなどとても興味深い古墳です。過去にも学習したことがありますが、この度3Dモデル技術を投入して再学習することになりました。次のような項目について学習するつもりです。

……………………………………………………………………

1 人形塚古墳3Dモデルの作成

・発掘調査報告書掲載等高線図から古墳3Dモデルを作成する。

・古墳3Dモデルを主要な検討ツール・表現ツールとして活用して、以下の検討を行う。

2 人形塚古墳に関する検討

・発掘調査報告書を熟読して次の検討を行い、理解できたこと、論点、課題等をまとめる。

2-1 墳丘の構造・埋葬施設、埴輪等出土物の詳細把握(3Dモデルにプロットする)

2-2 墳丘計画線と墳丘築造方法に関する検討

2-3 墳丘に表現された他界世界の再現(3Dモデルに埴輪群を再現する、明治発掘の影響考慮)

2-4 墳丘を舞台に行われた儀礼活動考察(墳丘利用史)

……………………………………………………………………

期間を限定して学習します。

3 人形塚古墳全体図のQGISジオリファレンス

この記事では最初の取り組みとして、人形塚古墳全体図をQGISで標準地図などにジオリファレンス(プロット)しました。これまで人形塚古墳位置を地図に正確にプロットしたものは無かったので、ささやかながら一つの成果になると考えます。

3-1 QGISジオリファレンスの手順

座標がわかる資料がないためステップの数は増えましたが、精度の高いジオリファレンスに到達できる方法を見つけることができました。

1 QGIS(座標参照系 EPSG6677 JGD2011/Japan Plane Rectangular CS IX)に1961年~1969年空中写真を表示する。(開発前地形地物が表示される)

2 人形塚古墳付近地域の1960年代千葉市都市図(昭和38年測量)を1961年~1969年空中写真を使って、QGISにジオリファレンスする。(1960年代千葉市都市図は不明の独自座標系を使っているため、座標系からQGISに直接プロットできませんでした。)

3 人形塚古墳測量図(発掘調査報告書掲載、発掘前地形)を1960年代千葉市都市図を使ってQGISにジオリファレンスする。

4 人形塚古墳全体図(発掘調査報告書掲載、表土除去後の墳丘地形)を人形塚古墳測量図を使ってQGISにジオリファレンスする。

4 QGISジオリファレンス結果


1960年代千葉市都市図に人形塚古墳全体図をプロットした様子


標準地図に1960年代千葉市都市図と人形塚古墳全体図をプロットした様子


標準地図に人形塚古墳全体図をプロットした様子


Google Map Satelliteに人形塚古墳全体図をプロットした様子


2020年12月13日日曜日

有吉北貝塚遺構配置図のQGISプロット

 縄文社会消長分析学習 55

有吉北貝塚学習を深めるための分析インフラ整備として、開発前地形の復元3Dモデルを作成しようとしてます。復元地形3Dモデルを使って遺構や遺物分布を分析すれば学習がはかどり、新たな発見があるにちがいないと期待しています。

この記事では復元地形3Dモデルを作成するための大前提としての発掘調査報告書掲載遺構配置図をQGISにプロットした作業をメモしました。

1 発掘調査報告書掲載遺構配置図に含まれている誤謬とQGISへのプロット

有吉北貝塚発掘調査報告書に掲載されている遺構配置図には日本測地系の座標値が掲載されています。したがってこの座標値を現在使われている世界測地系に変換すれば遺構配置図はGISに正確にプロットできるはずです。

その操作作業をしたところ、経度方向に約40mのずれがあり、そのずれの理由がわかりません。日本測地系から世界測地系に変換する方法が間違っているのか、あるいは自分が気が付いていない変換因子があるのか、・・・。日本測地系から世界測地系に移行した様子の学習はwebで何回も行い、知識も増えましたが問題解決まで4日間朝から晩までQGISに取り掛かりました。

QGISには1960年代空中写真と1960年代千葉市都市図を背景地図として取り込み、よくよく吟味すると、経度方向のずれが正40mであり、緯度方向のずれがゼロであることに違いないと直感できるまでになりました。同時に遺構配置図の経度線の間隔が40mであることにも気が付きました。つまり発掘調査報告書掲載図経度座標値が40mづつ間違っているという測量作業者のケアレスミスであることに気が付きました。このケアレスミスを訂正してプロット(ジオリファレンス)すると遺構配置図は正確にQGISに収まりました。


有吉北貝塚遺構配置図のQGISへのプロット 背景図1960年代空中写真


有吉北貝塚遺構配置図のQGISへのプロット 背景図1960年代千葉市都市図


有吉北貝塚遺構配置図のQGISへのプロット 背景図最新空中写真

2 今後の作業

遺構配置図を正確にQGISにプロットできましたので、次は1960年代千葉市都市図等高線を利用して5mメッシュ標高データを作成します。

3 時空間3Dモデルの作成

遺構配置図を貼り付けた復元地形3Dモデルと現状地形3Dモデルをオーバーレイして表示すれば、時空間3Dモデルとすることができます。将来その作成にチャレンジすることにします。時空間3Dモデルの発想は次のテレビ画面から得ました。

有吉北貝塚では保存区域があるので時空間3Dモデルがあれば現場で縄文時代往時を思い浮かべることが可能になります。


新型コロナ時空間3Dマップ TV画面

4 発掘調査報告書掲載遺構配置図の誤謬に関する感想

今回の作業で発掘調査報告書掲載測量図(遺構配置図)にケアレスミスがあり、それが訂正されていないことが明白になりました。このことからつぎの事情が判りました。

・遺構配置図の座標系数値は測量作業者にとってケアレスミスが発生する程度にぞんざいに扱われていること。

・座標系数値のケアレスミスは発注者(考古発掘専門家)によってチェックされていないこと。

・上記から座標系数値は発掘調査や報告書刊行後に利用されていないこと。

・つまり発掘調査情報をGIS(あるいは紙版地図)に正確にプロットして、他の情報と対照したり、関連をみたりという作業は全く想定されていないこと。

残念なことです。

なお、なぜこのような立ち入った感想を持つかというと、実は六通貝塚発掘調査報告書でも全く同じ誤謬に悩んだことがあるからです。その時は発掘調査報告書の誤謬とは考えないで、自分だけが未知の測地系移行に関する要因があるに違いないと考え、発掘調査報告書のミスとは断じなかったのですが。

2018.08.06記事「六通貝塚の学習開始」