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2024年5月15日水曜日

RealityCaptureの試用と3DF Zephyr Liteとの比較

 Trial of RealityCapture and comparison with 3DF Zephyr Lite


RealityCapture is now free, so I tried it out right away. When I compared it to 3DF Zephyr Lite, I felt that each software had its advantages and disadvantages.


フォトグラメトリソフトのRealityCaptureが無料となったので、早速試用してみました。3DF Zephyr Liteと比較するとそれぞれのソフトに一長一短を感じました。

1 RealityCaptureのダウンロード

最初にEpic Gamesアカウントを作成し、次にEpic Games ランチャーをインストールし、そこからRealityCaptureをダウンロードしました。問題なく、RealityCaptureを立ち上げることができました。

2 3Dモデル作成

十分な知識がないのですが、いきなり3Dモデルを作成してみました。よりよい3Dモデルを作成するための操作方法があるかと思いますが、今回はRealityCaptureを体感するために、見よう見まねで操作してみました。add imagery,align images,calculate model,textureの作業をして、素3Dモデルを作成しました。

対象物は飯田市美術博物館に展示されている深鉢型土器(飯田市天伯遺跡)です。既に105枚の写真から3DF Zephyr Liteで観察記録3Dモデルを作成して次の記事を書いています。

2024.05.03記事「深鉢型土器(飯田市天伯遺跡)観察記録3Dモデル(2024年3月撮影版)

今回は同じ写真から作成した素3Dモデル(全く調整していない3Dモデル)をRealityCapture版と3DF Zephyr Lite版で比較して、感想をメモしました。

なお、深鉢型土器(飯田市天伯遺跡)を対象に選んだのは、この遺物の3Dモデル用撮影条件が劣悪であり、そのような劣悪環境でRealityCaptureがどのようなパフォーマンスを示すのか、知りたかったからです。

3 RealityCapture版と3DF Zephyr Lite版の比較

3-1 素3Dモデルの全体の様子


RealityCapture版


3DF Zephyr Lite版

全体の結像の様子はRealityCapture版も3DF Zephyr Liteもほとんど同じといっていよい状況です。

3-2 写真が途切れる付近のゴミの付き方


RealityCapture版


3DF Zephyr Lite版

写真が途切れる付近のゴミの付き方は明らかにRealityCapture版が少なく、3DF Zephyr Lite版が多くなています。

3-3 テクスチャの解像感


RealityCapture版


3DF Zephyr Lite版

テクスチャの解像感はRealityCapture版が劣り、3DF Zephyr Lite版が良いようです。ただし、RealityCaptureに解像感を向上できるような機能とか特別操作があるかどうかはまだ知りません。また、RealityCaptureが劣るのは今回事例の特殊性によるものかもしれません。

3-4 感想

まだRealityCaptureの実力をしらないので、今後3Dモデルは3DF Zephyr LiteとRealityCaptureの双方でつくって、詳細に比較し、よりよいソフトを使う、あるいば場面で使い分けたいと思います。第一印象では3DF Zephyr Liteの方が良いような印象です。


2022年4月24日日曜日

縄文土器3Dモデルへの直接描画

 Direct drawing on Jomon pottery 3D model


It is now possible to draw lines and colors directly on the Jomon pottery 3D model, so make a note of it. It relies on the technique of unwrapping the texture image of a Wabefront (.obj) file into an editable image. Since it is possible to draw characters, it has opened the way to use 3D models as appealing explanatory materials.


縄文土器3Dモデルに線分や色を直接描画することができるようになりましたのでメモします。Wabefront(.obj)ファイルのテクスチャ画像を編集可能な画像にアンラップする技術に依拠するものです。

1 Wabefront(.obj)ファイルのテクスチャ画像のアンラップ


Wabefront(.obj)ファイルのテクスチャ画像アンラップのイメージ

通常、Wabefront(.obj)ファイルのテクスチャ画像は人が見て意味のある画像になっていないため、Photoshop等による画像編集はほとんど不可能です。しかし、3DF Zephyr LiteとBlenderを使ってアンラップすると人が見て意味のある画像になり、編集可能になります。

Unwrapping a texture generated by 3DF Zephyr

ブログ花見川流域を歩く番外編2022.03.20記事「3Dモデルテクスチャ画像の書き込み

2 称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) Syomyoji I type bowl

称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」

撮影月日:2022.03.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.503 processing 136 images

Syomyoji I type bowl (No.16) (Kamiyatsu No.2 site,Chiba City) Observation record 3D model

Location: Kasori Shellmound Museum Reiwa 3rd year exhibition “That is also E Kasori E type pottery Chiba city edition 2 -Kasori E IV type pottery and its descendants-“

Shooting date: 2022.03.02

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.503 processing 136 images

この3Dモデルはフォトグラメトリーの結果そのものです。

3 3Dモデルテクスチャ画像編集例 Texture image editing

3Dモデルテクスチャ画像編集例(テクスチャ画像に界線等を直接描画した例)

称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) Syomyoji I type bowl


テクスチャ画像編集風景(テクスチャ画像に界線等を直接描画)

元モデルは称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル

4 3Dモデルのテクスチャ画像欠如例 Lack of texture image

3Dモデルのテクスチャ画像欠如例(界線等接描画例)

称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) Syomyoji I type bowl


テクスチャ画像に代替して界線等を直接描画している風景

元モデルは称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル

5 比較動画


3つの3Dモデル比較動画


称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) Syomyoji I type bowl


3Dモデルテクスチャ画像編集例 Texture image editing


3Dモデルのテクスチャ画像欠如例 Lack of texture image

6 感想

縄文土器3DモデルをGigaMesh Software Frameworkで平面展開して、その画像に文様等を描き込む方法をこれまで有力な分析方法として使ってきました。このGigaMesh Software Frameworkによる方法をサポートするものとして、立体物に直接線分や色等を描き込むという今回開発した方法を使うことにします。文様をなぞるだけでなく、矢印や説明文を書くことも可能です。3Dモデルに分析思考結果・文字情報を含めることによって、訴求力のある立体説明資料として使う道が開けました。


2020年2月18日火曜日

称名寺式土器の動画作成

縄文土器学習 350

加曽利貝塚博物館常設展に展示されている称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)の3Dモデル動画及び切断3Dモデル動画を作成しました。
動画作成は3DF Zephyr Liteのアニメ機能によりました。
切断は電子ファイル上で行いました。
3Dモデル動画、切断3Dモデル動画ともに同じカメラワークにしました。

称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)3Dモデル動画
撮影は加曽利貝塚博物館の許可によります。

称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)切断3Dモデル動画
撮影は加曽利貝塚博物館の許可によります。

2020年2月9日日曜日

GigaMesh Software Frameworkによる縄文遺物の効率的距離計測

縄文土器学習 341

縄文遺物3Dモデルの作成とそれに対する実寸法付与を3DF Zephyr Liteで行うこうとができるようになりました。
ブログ花見川流域を歩く番外編2020.02.06記事「3Dモデルに実寸法を付与する方法(3DF Zephyr Lite)
ただし、3DF Zephyr Liteで遺物の距離計測を行うことは可能ですが、操作性が極めて劣悪で事実上使えません。
ブログ花見川流域を歩く番外編2020.02.06記事「縄文遺物3Dモデルの距離測定初体験
そこで土器や土器片等を主対象とする考古遺物専門分析ソフトGigaMesh Software Frameworkで遺物の距離計測をしてみました。大変効率的かつ快適に距離を計測できましたのでその体験をメモします。

1 計測例3Dモデル
3DF Zephyr Liteで3Dモデルを作成し、実寸法を付与した人面付土版(千葉市内野第1遺跡)を計測例としました。

人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデルその2
縄文時代晩期前葉(約3300年前)
撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター
撮影月日:2020.02.04
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 63 images

2 3DモデルのGigaMesh Software Frameworkへの投入と背景平面の設定
3DモデルをGigaMesh Software Frameworkに投入して背景平面に対する遺物の位置を設定します(正面の設定)。その際キーボードで1度単位あるいは90度単位で回転させることができます。キーボードを画面に表示させることもできます。(ただし画面キーボードは操作できません。)

画面に表示したキーボード
一度設定した正面はいつでもそのデフォルト位置に遺物を戻すことができますから便利です。
なお、特筆すべきは背景平面のグリッドは3Dモデル実寸法単位になっていることです。この例ではグリッドが1㎝方眼となっています。このグリッドを利用して画像内の任意地点距離(平面投影距離)をPhotoshop等で計測することも可能です。

3 2点間距離測定
遺物の2点間距離(ユークリッド距離)測定の操作性が極めて良好です。

距離測定のための測点設定の様子
遺物を拡大して観察しながら測点を設定することが可能です。いつでも遺物をデフォルト位置に即座に戻すことが可能です。

距離測定のための2点を設定した様子

距離測定結果の表示
縦方向の寸法は16.92㎝という結果になりました。

距離測定結果の表示
横方向の寸法は11.38㎝という結果になりました。

遺物の厚さは1.5㎝~3㎝程度となりました。(3Dモデルの裏側が完成していませんから正確な測定は不可能です。)

なお、土器表面などの曲面における距離計測(接地距離計測)もGigaMesh Software Frameworkで可能です。

4 感想
GigaMesh Software Frameworkは土器や土器片などの考古遺物を主対象にした計測分析ソフトですが、その操作性が極めて良好であり即その虜になりました。
3Dモデル作成と実寸法付与までは3DF Zephyr Liteで行い、3Dモデルの計測分析はGigaMesh Software Frameworkで行うという手順が自分の中で確立しました。

GigaMesh Software Frameworkを開発されたHubert Mara様をはじめとする皆様、GigaMesh Software Frameworkを日本で紹介した奈良文化財研究所金田明大様はじめ文化財方法論研究会の皆様に心から感謝申し上げます。

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GigaMesh Software Frameworkから書き出した人面付土版正面画像

GigaMesh Software Frameworkから書き出した人面付土版左から画像

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追記メモ
GigaMesh Software Frameworkを稼働中にその画面のスクリーンショットを撮るためにAltキー+PrintScreenキーを押したところ、GigaMeshが誤動作(大きな影発生とマウス操作異常)しました。スクリーンショットはPrintScreenキーを押すだけで撮ることにしました。

2019年8月31日土曜日

中峠式深鉢形土器のオルソ投影

縄文土器学習 250

2019.08.30記事「中峠式深鉢形土器の3Dモデル観察」を書いた後、3Dモデルの「上から」と「下から」の図柄(土器外形シルエット)が異なることを意識しました。
3Dモデルを「純粋に」「天真爛漫に」観察すればこのようになります。なんらやましいことはありません。
しかし上から見た時の外形シルエットと下から見た時の外形シルエットを同じにして土器外形を論じたくなります。そのためにはオルソ投影(正射投影)する必要があります。
幸い3Dモデルを作成した3DF Zephyr Liteにはオルソグラフィック投影機能がありますから、オルソ投影してみました。

中峠式深鉢形土器 下から オルソグラフィック投影

中峠式深鉢形土器 上から オルソグラフィック投影

上からの反転
上からの図を反転すると外形シルエットは下からとピタリ一致します。
外形シルエットは正六角形近似図形の3つの角の近くに角(つの)が生えたような形状になります。角(つの)は把手先端部の端(はじ)の部分が投影されているものです。

中峠式深鉢形土器 下から オルソグラフィック投影 外形シルエットの説明

正面図についてもオルソ投影をしてみました。

中峠式深鉢形土器 正面A オルソグラフィック投影

中峠式深鉢形土器 正面B オルソグラフィック投影

資料に掲載されている挿図と重ねてみました。

資料掲載挿図
「千葉県の歴史 資料編考古1(旧石器・縄文時代)」から引用

オルソ投影図と挿図のオーバーレイ
オルソ投影図では両端の2連丸い穴のさらに背後の様子が見えます。しかし挿図はそれが見えていません。(現場では実際に見えません。)
このオーバーレイ図から挿図は特定の写真図柄から書いたものであることが確認できます。機械や土木設計図のような正確な正面図を目指したものではなく、あくまでも見かけのスケッチであることを知りました。

2019年4月21日日曜日

縄文犬 飛丸くん

Twitterしむちゃん ナウさんからリクエストがあり、縄文犬飛丸くんの3Dモデルを作成しました。飛丸くんは船橋市飛ノ台史跡公園博物館に展示されている縄文犬復元模型です。

縄文犬 飛丸くん
船橋市飛ノ台史跡公園博物館展示物 2019.04.21撮影

飛丸くんの展示風景

飛丸くんの説明

飛丸くんの説明

参考 飛丸くんの3Dモデル作成画面(3DF Zephyr Lite)

参考 撮影写真


2019年3月21日木曜日

船橋市海老ケ作貝塚出土獣面把手土器3Dモデル

縄文土器学習 69

3DF Zephyr Lite 及びSketchfabの操作に少し慣れてきて、今までよりましな3Dモデルを作りました。モノクロからカラーに、どうしようもない動きから滑らかな動きにできるようになりました。



参考 土器説明
「海老ケ作貝塚 -縄文時代中期集落祉調査報告-」(1972、船橋市教育委員会)ではこの獣面把手土器について次のように説明しています。
・竪穴住居祉から出土
・褐色土中より発見された深鉢土器である。大きい立体把手と対面に小さい把手を口縁上に配する。大きい立体把手は獣面を表している。把手と把手の間には、1個づつかたつむり状の隆帯を付ける。文様は隆帯と沈線の組み合わせによる渦巻文が主文として埋まる。胴部に一条隆帯がまわり、胴部は無文である。
・本祉の時期は第Ⅲ類土器に分類でき、海老ケ作集落盛期の住居である。土器はいわゆるプレ加曽利EⅠ式、原加曽利EⅠ式に該当し、加曽利E式期に含めて考えることができる。
・遺跡全体では阿玉台式土器と勝坂式土器の影響をうけ、後者の影響が強い。


土器実測図

「海老ケ作貝塚 -縄文時代中期集落祉調査報告-」(1972、船橋市教育委員会)から引用

土器写真

「海老ケ作貝塚 -縄文時代中期集落祉調査報告-」(1972、船橋市教育委員会)から引用