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2020年2月19日水曜日

GigaMesh Software Frameworkによる6側面図書き出し

縄文土器学習 351

GigaMesh Software Frameworkに3Dモデルを取り込むとワンクリックでモデルのオルソグラフィック投影6側面図を得ることができます。

称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)3Dモデル6側面図 テクスチャーモデル
撮影は加曽利貝塚博物館の許可による

称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)3Dモデル6側面図 ソリッドモデル
撮影は加曽利貝塚博物館の許可による

一瞬のうちに6側面図が書き出されるので驚きです。
完形土器に限らず不定形の土器片や石器などの撮影に有効のように感じます。
さらに縄文学習に限らず3Dモデル一般を扱っていくうえでとても便利な機能です。
類似の機能をfreeCAD(3次元CAD、フリーソフト)で見かけたことがあります。

GigaMesh Software Frameworkによる展開写真も実は次のような生成3Dモデルのオルソグラフィック投影6側面図のうち正面図と後面図を利用したものです。

称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)展開写真3Dモデル6側面図 ソリッドモデル
撮影は加曽利貝塚博物館の許可による

GigaMesh Software Frameworkの縄文土器3Dモデル観察・分析機能があまりに充実していて価値の高いものばかりです。GigaMesh Software Frameworkをいじる楽しさの虜になっている日々が続いています。




2020年2月18日火曜日

称名寺式土器の動画作成

縄文土器学習 350

加曽利貝塚博物館常設展に展示されている称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)の3Dモデル動画及び切断3Dモデル動画を作成しました。
動画作成は3DF Zephyr Liteのアニメ機能によりました。
切断は電子ファイル上で行いました。
3Dモデル動画、切断3Dモデル動画ともに同じカメラワークにしました。

称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)3Dモデル動画
撮影は加曽利貝塚博物館の許可によります。

称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)切断3Dモデル動画
撮影は加曽利貝塚博物館の許可によります。

2020年2月15日土曜日

許可撮影 称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)観察記録3Dモデル

縄文土器学習 346

加曽利貝塚博物館から許可をいただき、常設展展示土器である称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)の周回多視点撮影を行い観察記録3Dモデルを作成しましたので検討します。

1 称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)に関する問題意識と3Dモデル作成
加曽利貝塚博物館常設展展示の称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)については、昨年の加納実先生講演で興味深いお話を聞きし、興味を持ちました。また展示観察によりすでに何回か記事にし、3Dモデルも2回ほど作成してます。
2019.02.17記事「加納実先生講演「縄文時代中期終末から後期初頭の様相」学習メモ
2019.05.14記事「称名寺式土器 餅ヶ崎遺跡
こうした興味のなかで、展示土器の沈線が特段に深く、その影響が土器内面にデコボコとして反映されているのではないだろうかという見立てをしました。
しかしガラス越し撮影による3Dモデルではその観察を十分にすることができませんでした。
そこでこの土器を机の上に置き周回多視点撮影して難の少ない3Dモデルを作成し、沈線と土器内面のデコボコの関係を精細に検討することを決意しました。
加曽利貝塚博物館に土器閲覧申請したところ、その許可を得て撮影が12月末に実現しました。さらに作成した3DモデルからGigaMesh Software Frameworkによる展開写真作成等が可能となり問題意識に関する解明が進みだしましたので、その内容をメモすることにします。

2 3Dモデル
次のとおり土器外面すべて(ただし底部は除く)と内面全てを3Dモデルにすることができました。3Dモデルとしての出来ばえは優良なものとなりました。


称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館
撮影月日:2019.12.27
許可:加曽利貝塚博物館の許可により全周多視点撮影及び3Dモデル公表
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 93 images

撮影写真の1枚

カメラ位置図

3 展開図作成
GigaMesh Software Frameworkにより3Dモデルの展開写真を外面、内面について作成しました。

土器外面展開写真

土器内面展開写真
(視点は土器内部に存在するので外面展開写真と左右が逆になっています。)

4 沈線文様の抽出
深く広い沈線を外面展開写真でトレースしました。

沈線トレース図
深く広い沈線で囲まれたJ字(逆J字)模様や+模様が浮かび上がります。この模様には縄文が施されています。つまり縄文が図として利用されています。称名寺式土器以前は縄文は地として利用されてきましたからデザイン面における大きな逆転が称名寺式土器で行われたといわれています。
また2段構成文様の上段の+模様の一つの両端が跳ね上がり他の+模様と差別的に描かれています。この差別からこの土器の正面は両端跳ね上がり+模様のところであると推察します。

土器正面の推察
J字(逆J字)模様は植物の芽を、+模様は植物の葉を連想しました。

次の記事でこの沈線模様が土器内面凹凸に影響しているかどうか検討します。