2011年6月21日火曜日

下志津射場図 6 演習場の区分

 宇那谷川流域紀行16 下志津射場図 6 演習場の区分

 昭和17年4月発行近衛師団管轄演習場規程付図に掲載されている情報から、下志津演習場は次のように下志津射場、六方野射場、三角原射場、練兵場に4区分されて管理運用されていることがわかりました。

            下志津演習場の区分

 次の図は演習場区分図に演習機能情報をオーバーレイ表示したものです。

            下志津演習場の運用

 下志津射場と六方野射場は主に砲兵の射撃演習に使われたようです。近衛師団管轄演習場規程には両演習場の射撃は南北方向の射撃を基本とする旨書いてあります。

 図上において射撃陣地の概ねの位置と射撃目標を設定してよい区域が設定されています。

 射撃陣地の最も遠方のものは図の最も下に位置する歩兵学校演習場内のものです。この陣地と射方向を示す赤矢印は点線で表示されています。(点線の意味は近衛師団と歩兵学校との組織関係に関連するものと想像します。)この点線矢印の距離は約6kmです。

 下志津射場および六方野射場の射撃陣地からの射方向を示す赤矢印はいずれも下志津射場内を指しています。矢印の距離は2km~4kmです。
 下志津射場および六方野射場の双方に射弾下掩蔽部(着弾状況の体感訓練及び観測訓練を行うための施設)が1箇所ずつ設置されています。

 六方野射場には射撃陣地からの射撃でない短距離(約500m)の射方向矢印が示されています。方向も南北方向ではありません。迫撃砲の演習を示しているようです。

 三角原射場は爆撃基本目標と特殊演習場(毒ガス演習場)が設定されていて、通常の砲兵射撃演習とは異なる目的の演習に運用されていたことがわかります。

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