花見川流域の小崖地形 その37
1 花島小崖のF地区の検討
次の図に示すように、この記事では花島小崖のF地区の検討を行います。
この記事で検討する花島小崖の場所
2 旧長沼池を境に東側には明瞭な小崖が観察できない
旧長沼池の西側では花島小崖が連続的に観察できました。
ところが、旧長沼池を境にして、その東側ではその延長方向に明瞭な小崖(縦ずれ)や地形のずれ(横ずれ)が観察できません。
延長方向の東約3kmには断層起因と考える水系網があるので、そこまで連続しているのではないだろうかと考え、各種情報を長時間かけて検討したのですが、確信を持てるような小崖(断層)を示す地物を見つけることはできませんでした。
旧長沼池の東側の様子
3 四街道市境付近の小深川谷津地形に横ずれ発見
花島小崖に連続するものであるか否かは不明ですが、千葉市と四街道市の市境付近の小深(コブケ)川谷津に明瞭な地形のずれを発見しました。
谷津地形の横ずれ発見場所
谷津地形のずれは約140m程度です。
その東に位置する東小深川谷津も人工改変の影響をうけていますが、同様のずれが見られます。横ずれ線に沿った谷津の発達も見られます。
小深川横ずれの場所では北に地形の高まりがありますが、すぐ西には閉じた凹地があり、縦ずれを示す明瞭な小崖は見つかりません。
地形の横ずれを示す地物
基図は段彩図と旧版1万分の1地形図
参考 地形の横ずれを示す地物
基図は旧版1万分の1地形図
参考 地形の横ずれを示す地物
基図は標準地図(電子国土ポータルによる)
この地形横ずれの方向と花島小崖の方向と異なります。
しかし、この地形横ずれは北側が東方向に、南側が西方向にずれていますから、そのずれ方向の関係は花島小崖(花島断層)と同じです。
この千葉市と四街道市の市境付近で見つかった地形の横ずれが花島小崖の連続地形であるのかどうか、結論は情報が増えるであろう後日の検討にゆだねたいと思います。
【追記】2013.11.12
小深川の谷津筋がずれている付近の写真です。
小深川の状況
写真は下流方向を見たもので、写真奥で谷筋は右にカーブしている(ずれている)のですが、人家が密集していて、それを表現できません。
この付近では谷津という地形の認識もよほど注意しないと見落とします。
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