2013年10月3日木曜日

小崖微地形の検討 化石谷津地形モデル

花見川流域の小崖地形 その30

花島断層の運動に対して、流量の豊富な谷津は抵抗してある時点までは断層を乗越えて水を印旛沼方面に流していたと考えられますが、結局は断層崖でダムアップしてしまい、化石谷津になっていったものと考えます。

この化石谷津地形が出来るまでのモデルを4´谷津と4谷津で検討しました。

1 地形縦断図
4´谷津の地形縦断面(A-B断面)と4谷津の地形縦断面(C-D断面)の位置を示します。

4´谷津と4谷津の地形縦断面線位置図

それぞれの地形縦断面図をしめします。

4´谷津の地形縦断面図

4谷津の地形縦断面図

2 化石谷津地形モデル
二つの谷津の発達の様子を、これまでに得た花島断層の知見に基づいて、次のように模式的に考えました。

ステージ1 断層運動前

ステージ2 テラスの小隆起

4´谷津は水量が少なく、テラスの小隆起を乗越えて流下できなかったのですが、4谷津は水量が多く、テラスの小隆起を乗越えて流下できたものと考えます。

4´谷津は小隆起の崖に沿って出口をもとめ、4谷津につながったものと考えます。

ステージ3 花島断層の横ずれ移動

4谷津が花島断層の横ずれに対応して流路を曲げているので、4谷津は断層の横ずれ移動が生起している期間にその断層を乗越えて流下していたことがわかります。

ステージ23は同時に生じたと考えてもよいと思います。

ステージ4 花島断層の縦ずれ移動

ステージ4の断層の縦づれ移動は、4谷津がそれを乗越えていないので、最終段階に生じた事象であると考えます。

4谷津が断層の縦ずれ移動を乗越えられなくなると、水がダムアップし、谷津は湖沼化します。
一旦湖沼化すると、谷津の岸部は粘土や火山灰で構成されているため、波浪等による侵蝕作用が発生し、谷津の形状は幅広く拡大します。

その後、湖沼が消失し、また火山灰の降灰も続き、浅い皿のような谷津の化石地形が形成され、現在に至っています。


つづく

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