2013年10月27日日曜日

下総上位面の微地形検討のためのツール作成

花見川流域の小崖地形 その47

柏井小崖(柏井断層)を把握するためには、崖地形そのものを検討する前に、下総上位面がどうなっているのか(崖の前後で侵蝕されているのか、傾動しているのか等)把握する(見当をつける)ことが必要であることに気がつきました。(2013.10.26記事「柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量検討の違和感」参照)

その検討(見当をつける)のためのツールとして専用地形段彩図を作成しましたので、報告します。

次の地形断面図に示すように、花島小崖より北の下総上位面は標高27m30m程度のところが多くなっています。

花島小崖と柏井小崖付近の地形断面(下総上位面) 例7

地形断面の位置

このような情報を他の箇所でも確認して、余裕をとって標高24m以上の下総上位面の微地形を検討することとしました。

これまで利用してきた地形段彩図は汎用版であり、台地とそれを刻む谷津全てを表現するものでした。地形の全体像の把握には適していますが、微地形の詳細検討には必ずしも適していません。

ここでは下総上位面を修飾する微地形を問題にするので、標高24m以上を1m刻みで7段階の段彩とする図面を作成しました。

下総上位面の微地形検討のための専用地形段彩図
赤点線は花島小崖(花島断層)
利用している基盤地図情報5mメッシュ(標高)のロット全体を示しています。

この地形段彩図でこれまで気がつかなかった各種情報を得られることが一見してわかります。(新発見もあります。詳細は追って記事にします。)

同時にこの図は情報量が多すぎることと、グラデーションの色の識別が困難になることがあるので、この図をサポートする次の補助図6葉を作成し、より多くの知見を得られるようにしました。

下総上位面の微地形検討のための専用地形段彩図 補助図 24m抽出図

下総上位面の微地形検討のための専用地形段彩図 補助図 25m抽出図

下総上位面の微地形検討のための専用地形段彩図 補助図 26m抽出図

下総上位面の微地形検討のための専用地形段彩図 補助図 27m抽出図

下総上位面の微地形検討のための専用地形段彩図 補助図 28m抽出図

下総上位面の微地形検討のための専用地形段彩図 補助図 30m以上区分図

図示した範囲の標準地図を参考までに掲載します。

下総上位面の微地形検討のための専用地形段彩図を作成した付近の標準地図
電子国土ポータルによる。赤点線は花島小崖(花島断層)。


専用地形段彩図と補助図の切り替えはGISソフト(地図太郎PLUS)上で「段彩設定の読込」によりワンタッチで行うことができ、他の地図(標準地図、旧版1万分の1地形図、DMデータ、空中写真等)や情報(断面線位置図等)と重ね合せて見ることができます。

有力な検討ツールが出来ました。


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