花見川流域の小崖地形 その42
1花島小崖(花島断層)の分布
花島小崖(花島断層)を地形段彩図にプロットしてその分布状況を示します。
花島小崖(花島断層)の分布
基図は地形段彩図
位置関係を知るために、標準地図に花島小崖(花島断層)をプロットしました。
参考 花島小崖(花島断層)の分布
基図は標準地図(電子国土ポータルによる)
地形段彩図を3D表示すると次のようになります。
この3D図から生の地形としての花島小崖が浮かび上がります。
地形段彩図の3D表示
垂直方向10倍に拡大、カシミール3Dによる。
花島小崖(花島断層)を記入した地形段彩図を3D表示すると次のようになります。
花島小崖(花島断層)の位置は現地調査で確認して、このブログで検討してきたものです。
花島小崖(花島断層)を記入した地形段彩図の3D表示
図に表示した花島小崖(花島断層)の延長は約8.6㎞です。
2 花島小崖(花島断層)の形状
2-1 縦ずれ
このブログで計測してきた花島小崖の見かけの比高(区間別平均値)の分布を表示すると次のようになります。
花島小崖の見かけの比高(区間別平均値)
区間別平均値は1.8m~3.5mの範囲に収まっています。
地層のズレをボーリング資料から確認すると次のようになります。
花島断層の地層の縦ずれ
ボーリング資料による
2箇所のデータはそれぞれ2.5m、3mを示します。
現在の小崖の見かけの比高と地層のずれの値は整合的な関係にあると考えられます。
2-2 横ずれ
このブログで検討してきた花島断層横ずれの量の値は次の通りです。
台地上に残された原始的な谷津地形のずれから計測しました。
花島断層の横ずれ
花島断層の横ずれは130m~140mに及ぶものです。
3 花島小崖(花島断層)が切る地形面から推定できる活動時期
花島小崖(花島断層)が切る地形面は、これまでの観察では下総上位面と下総上位面形成直後に、そこに刻まれた浅い谷だけです。
下総下位面、武蔵野面等と花島小崖(花島断層)は交差していません。
また、沖積地形(東京湾水系の深い谷地形)を切っている様子は、これまでのところ見られません。
こうした花島小崖(花島断層)と地形との関係から、花島小崖(花島断層)が形成された(動いた)期間は下総上位面形成直後が含まれていることは確実です。
また沖積地形が形成された時期には顕著な活動はなかったようです。
それ以外の時期の活動は不明です。
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花島小崖の次は柏井小崖の検討に移行します。
このシリーズ記事は次のサイトに掲載順にまとめてあります。
特設サイト「花見川流域の小崖地形」
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