2014年8月8日金曜日

千葉市若葉区の小地溝

シリーズ 花見川地峡成立の自然史 -仮説的検討- 
第4部 下総台地形成に遡る その32

千葉市若葉区の桜木駅(千葉都市モノレール)付近に谷中谷になっている場所があり、この地形が小地溝と考えられるので紹介します。

1 地形段彩図
地形段彩図からわかるように総武線都賀駅の北西のみつわ台、都賀の台、西都賀から都賀駅南東の都賀、桜木北、桜木にかけて地殻変動によってできたと考えられる谷(小地溝)が存在しています。都賀駅から北西は宅地造成による地形改変が激しく本来の地形がわかりづらくなっています。
小地溝の底には流水による浸食谷が発達しています。

地形段彩図
桜木駅(千葉都市モノレール)付近の断面をABとして設定しました。
参考として既に紹介した四街道市吉岡付近の同様地形に断面CDを設定しました。

参考 標準地図

2 小地溝の断面形

桜木駅付近の地形断面AB
地殻変動による谷地形(小地溝)とその谷地形の中に発達した流水による侵蝕谷が様子が表現されています。

参考 四街道市吉岡付近の地形断面CD
同じく、地殻変動による谷地形(小地溝)とその谷地形の中に発達した流水による侵蝕谷が様子が表現されています。

3 小地溝の3D表現
自分自身は谷中谷の姿(地形)を現場で確認することができました。しかし、わかりやすい写真に撮影することができませんでした。主として視点場(展望場所)がないためです。

代替としてカシミール3Dにより地形3D図を作成しました。

直観的に谷中谷となっている小地溝を理解することができます。

小地溝(谷中谷)の3D表現
地図太郎PLUS+カシミール3D

4 旧版25000分の1地形図による小地溝分布の確認
総武線都賀駅から北西方向に発達する小地溝は宅地開発による地形改変が激しく、本来の地形を認識しづらくなっています。
そこで、旧版25000分の1地形図「千葉東部」(大正10年測量)の等高線を塗色して本来の地形を確認してみました。

旧版25000分の1地形図「千葉東部」(大正10年測量) 等高線30m以上塗色

この情報を踏まえ、小地溝の概略分布を次のように考えました。

小地溝の概略分布

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