2019年1月8日火曜日

縄文時代学習計画

1 縄文時代学習の経緯
2016年12月から大膳野南貝塚学習を始めました。1つの発掘調査報告書(4分冊の大著)を自分なりに徹底して分析しましたがその中でFile Maker、QGISなどのアプリも活用し、自分レベルでは高度といえるスキルも総動員しました。結果としてデータをいじくりまわす楽しみを存分に味わい、かつ多数の問題意識を獲得することができました。
その学習結果は「大膳野南貝塚学習中間とりまとめ」としてまとめましたが、幸運にも千葉県貝塚研究最先端者の西野雅人先生にコメントしていただくことができました。学習が大いに深まりました。
こうした経緯のなかで2018.09.24記事「ブログ学習活動の経緯と学習テーマ」で次の4点を今後の学習テーマとして設定しました。
1 中期~後期・晩期の貝塚集落消長
2 なぜ谷奥台地に貝塚集落が立地するのか?
3 竪穴住居の漆喰貝層有無の理由
4 土器形式年代と海岸地形との関係

2 これまでの縄文時代学習の位置づけ
2018年までの縄文時代学習は千葉県における縄文時代研究の蓄積をほとんど知らないで、特定遺跡の分析に血道をあげた活動です。
この活動を自分が千葉県縄文時代研究(千葉県における知識の総体)に対する威力偵察活動と位置づけます。
千葉県縄文時代研究がどれほどのものであるのか、自分のつたない興味や知識などとの相対関係がどのようなものであるのか、実感できた活動であったと位置づけます。
大膳野南貝塚という1遺跡をピンポイントで深く分析することにより千葉県縄文時代研究(千葉県における知識の総体)の壮大さ・奥深さ、汲み尽くせないほどの多様なインタレストを感じ取ることができました。同時に、踏み込んで検討すれば解答を得られるに違いないというテーマが無数に存在している様子も感得できました。
威力偵察活動は立派に任務を果たしました。

3 2019年縄文時代学習のイメージ
2018年までの威力偵察活動としての学習を踏まえ、2019年学習は本格学習に取り組むことにします。本格学習の最初はやはり基礎知識の習得がメインになると考えます。千葉県縄文時代研究(千葉県における知識の総体)の壮大さ・奥深さ、汲み尽くせないほどの多様なインタレストを十分に知らないで学習するわけにはいきません。
2019年は学習のための基礎体力増強の年にしたいと思います。基礎体力増強の状況に応じて、順次学習テーマに視点を移動させたいと思います。

4 縄文時代学習計画
4-1 知識の習得
「千葉県の歴史」の記述を読み直す、そこに引用されている主要文献を取り寄せ学習する、これまで入手した論文を学習するなどに集中して知識獲得活動を精力的に行います。学習はブログ「芋づる式読書のメモ」を舞台に行うことにします。このブログをメモ帳代わりに利用しますので恐らく記事数が飛躍的に増えると予想します。

4-2 出土土器による遺跡編年資料作成
本格縄文時代学習の有力ツールとして「出土土器による遺跡変遷資料」を自作することにします。このツール自作は知識獲得活動にも位置付けることができますし、テーマ学習の入り口としても位置付けることができると考えます。
4-2-1 縄文土器形式変遷の学習
・縄文時代土器形式変遷の様子を詳しく学習します。
・資料学習では土器を実感できませんから博物館や資料館で見学したり、主要なものは閲覧申請して「手に取って」学習します。

縄文土器の変遷

4-2-2 縄文土器形式と較正年代の対応表作成(参考資料)
専門家の研究成果を活用して(あるいはご教示を受けて)縄文土器形式と較正年代の対応表を可能な範囲で作成します。学術資料ではなく学習用参考資料として作成します。

4-2-3 遺跡別出土土器形式資料の作成
私家版千葉県遺跡DBから遺跡別出土土器形式資料を作成します。

4-2-4 遺跡編年資料作成
「縄文土器形式と較正年代の対応表」と「遺跡別出土土器形式資料」から出土土器形式を基礎とした遺跡編年一覧表を作成します。この資料作成により土器が出土した遺跡の多くをより詳しく編年資料に組み込むことができます。この資料は縄文時代学習の有力なツールになると考えます。

4-3 海岸線、植生等の自然環境変遷資料作成
・縄文海進とその後の海退に関する資料、植生変化に関する資料等を収集して千葉県の縄文時代自然環境の様子をできるだけ詳しく知ります。
・同時に自然環境の特徴を表現する遺跡(遺構・遺物)があれば私家版遺跡DB等から体系的に収集します。
・それらの情報から集落消長と自然環境変化との間に何らかの関係があるのか、ヒントを見つけます。

これまでの学習で、例として次の2点について強く気がかりになっています。
・有吉北貝塚のガリー浸食とその保全工事跡(薪資源の取りつくしによる集落周辺裸地化と集落崩壊の関係)
・縄文後・晩期の獣骨出土増大と海退による海岸平野拡大(獣すみかとしての樹林・草原拡大)の相関
このようなヒントを多数見つけたいと考えます。

集落立地台地に発達したガリー浸食とその拡大防止工事跡と考えれる遺跡

4-4 テーマ学習
テーマ学習は当面は材料を蓄積し温めることに専念し、本格取り組みは4-1~4-3のメドが立ってからにします。
1 中期~後期・晩期の貝塚集落消長
2 なぜ谷奥台地に貝塚集落が立地するのか?
3 竪穴住居の漆喰貝層有無の理由
4 土器形式年代と海岸地形との関係

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追記
縄文時代学習は単なる知識習得活動ではなく、テーマに沿った(テーマ追究型)学習です。そしてそれはあくまでも趣味活動の一環です。学術研究を目指していません。
趣味活動の一環ですから縄文時代学習の目的を究極まで煎じ詰めれば、それは楽しさ、ワクワク感、ドキドキ感というプラス感情(自己満足感)を得ることに到達します。

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