2020年4月15日水曜日

縄文草創期隆起線文土器の出土遺物と復元模造土器

縄文土器学習 400

縄文草創期隆起線文土器は土器出現最初期頃の土器ですから特別の興味がありますが、これまで出土遺物(土器片)だけの閲覧観察にとどまっていて、復元模造土器には巡り会ってきませんでした。
2019.06.16記事「隆起線文土器片 一鍬田甚兵衛山南遺跡出土 観察記録3Dモデル」など多数

ところが長野県立歴史館の縄文土器展示で出土隆起線文土器片の現物とそれから復元模造した土器に巡り会うことができました。大変参考になります。

1 縄文草創期隆起線文土器(岡谷市中島B遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文草創期隆起線文土器(岡谷市中島B遺跡) 観察記録3Dモデル 
約13000年前
出土土器片および復元模造土器 
撮影場所:長野県立歴史館 撮影月日:2020年2月14日 ガラス面越し撮影 実寸法付与 3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 26 images

展示の様子
左端の土器が縄文草創期隆起線文土器(岡谷市中島B遺跡)

縄文草創期隆起線文土器(岡谷市中島B遺跡) 3Dモデルから作成したアニメ

2 感想
出土土器片から草創期特有の硬質な感じが伝わってきます。
長年の風雪に耐えてボロボロになったという印象とは正反対で、固く締まり、色が明るく薄手の印象を受ける質感です。土器というものがハイテク製品で超高級製品であった時代の産物です。草創期土器は人々の生活に革命を起こし、人々はその生活革命を実感しながら丁寧に土器を作り扱っていたと想像します。

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3 長野県立歴史館縄文コーナー入り口の他の3土器

縄文草創期~早期表裏縄文土器(信濃町日向林A遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:長野県立歴史館
撮影月日:2020年2月14日
ガラス面越し撮影
実寸法付与
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 42 images

縄文早期貝殻条痕文土器(長野市村東山手遺跡) 観察記録3Dモデル
約7500年前
二枚貝などで土器の内外面を整えた土器。貝をひきずった時の条痕(筋目)が残っている。
撮影場所:長野県立歴史館
撮影月日:2020年2月14日
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 31 images

縄文前期羽状縄文土器(佐久市栗毛坂遺跡) 観察記録3Dモデル
約6000年前
右撚りと左撚りの縄を交互に転がす事で、羽のような縄模様が表現されている。
撮影場所:長野県立歴史館
撮影月日:2020年2月14日
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 28 images

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