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2020年5月19日火曜日

縄文草創期石錐(103図-13)(多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文石器学習 11

千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡から隆起線文土器、矢柄研磨器、尖頭器、石鏃、有舌尖頭器と一緒に出土した石錐(103図-13)の観察記録3Dモデルを作成しました。

1 縄文草創期石錐(103図-13)(多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文草創期石錐(103図-13)(多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル
ホルンフェルス製、長さ3.4㎝、幅2.6㎝、厚さ05㎝(報告書挿図から計測)
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:千葉県教育庁文化財課森宮分室
撮影月日:2019.05.27
実寸法付与
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 37 images

報告書挿図
(左画面は手違いで未完か)
一鍬田甚兵衛山南遺跡発掘調査報告書から引用

撮影の様子

撮影の様子(裏面)
裏面の3Dモデルは作成していません。

動画

動画(テクスチャー画像なし)

2 感想
鈴木道之助著「図録石器入門事典縄文」(1991、柏書房)の石錐時期別図録と対比すると、一鍬田甚兵衛山南遺跡出土石錐(103図-13)は縄文草創期特有の錐部が短い形状のものであることがわかります。

石錐時期別図録
鈴木道之助著「図録石器入門事典縄文」(1991、柏書房)から引用加筆

2020年5月15日金曜日

縄文草創期有舌尖頭器(88図-30)(多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文石器学習 7

千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡から隆起線文土器、矢柄研磨器と共伴出土した有舌尖頭器(88図-30)の観察記録3Dモデルを作成しました。

1 縄文草創期有舌尖頭器(88図-30)(多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文草創期有舌尖頭器(88図-30)(多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル
安山岩製、長さ5.5㎝、幅2.4㎝
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:千葉県教育庁文化財課森宮分室
撮影月日:2019.05.27
実寸法付与
 3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 42 images

報告書挿図
一鍬田甚兵衛山南遺跡発掘調査報告書から引用

撮影の様子

撮影の様子(裏面)
裏面の3Dモデルは作成していません。

動画

2 感想
投げ槍用の有舌尖頭器であると考えます。
この尖頭器の観察の仕方(観賞の仕方)がまだわかりません。この尖頭器の価値が直観できません。この尖頭器を使った人々の狩猟の様子を想像できません。
尖頭器観覧→3Dモデル作成を数多く行い、その間に尖頭器に関する知識を入手し、1年後くらいには尖頭器について素人うんちくを話せるようにしたいと思い、学習に励むことにします。

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この記事は2019.06.17記事「参考 有舌尖頭器 一鍬田甚兵衛山南遺跡出土 観察記録3Dモデル」のリメイク版です。

2020年5月11日月曜日

縄文草創期有舌尖頭器(千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文石器学習 6

千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡から隆起線文土器、矢柄研磨器と共伴出土した有舌尖頭器(96図-2)の観察記録3Dモデルを作成しました。

1 縄文草創期有舌尖頭器(千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文草創期有舌尖頭器(千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル
千葉県教育委員会所蔵
報告書番号 96図-2、チャート
撮影場所:千葉県教育庁文化財課森宮分室
撮影月日:2019.05.27
実寸法付与
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 47 images

報告書挿図
一鍬田甚兵衛山南遺跡発掘調査報告書から引用

撮影の様子

動画

2 感想
・3Dモデルで実寸法を付与して計測したところ、縦方向の長さ4.6㎝、最大幅2㎝となりました。弓矢用ではなく投槍器をつかった槍用でしょうか。
・刃先は鋭利で鋸のようなギザギザが付いていますが、表面は打ち欠いた生の状況ではなく、滑らかになっています。刃先以外は砂などで磨いてつるつるにして、槍先としての性能を高めているようです。
・有舌尖頭器の3Dモデルを作成はしてみましたが、尖頭器の観察の仕方、3Dモデルの作り方など基礎知識・基礎技術の蓄えがまったくありません。すこしズーズーしいと思いますので、旧石器時代、縄文時代の石器について泥縄式学習を今から始めることにします。
・土器の3Dモデルの場合、「置いた」状況で撮影してSfM-MVSにより3Dモデルをつくればそれで足ります。しかし石器の場合「置いた」面だけでなく、「裏の」面も合わせた360度完全3Dモデルを作成する必要があります。おそらく2つの重なる3Dモデルをソフトで統合する作業になると思いますが、現在は出来ません。

2020年5月10日日曜日

縄文草創期矢柄研磨器(一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文石器学習 5

千葉県多古町一鍬田甚兵衛山南遺跡から隆起線文土器、有舌尖頭器と共伴出土した矢柄研磨器の観察記録3Dモデルを作成し詳しく観察しました。

1 縄文草創期矢柄研磨器(一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文草創期矢柄研磨器(一鍬田甚兵衛山南遺跡) 観察記録3Dモデル
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:千葉県教育庁文化財課森宮分室
撮影月日:2019.05.27
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 42 images


発掘調査報告書挿図
一鍬田甚兵衛山南遺跡発掘調査報告書より引用

撮影の様子

動画

2 観察

観察図1
メインの溝は若干カーブしています。カーブした篠竹を温めて逆カーブでしごいてまっすぐにするとか、節や篠の残葉を削ぎ取るのに利用したと推測します。
各所にアリジゴクのような穴があります。弓の一方をここに添えて固定し弦を張るのに利用したのではないかと推測します。

観察図2
篠竹をしごいたと思われる溝が各所にあります。また篠竹の断面を擦って断面を平滑にしたと推測できる円形凸形が大小3つ並んでいます。

3 感想
矢柄研磨器は縄文草創期のこの時期にしか出土せず、弓矢が発達すると姿を消したといわれています。もしそうだとすると次のようなことが考えられると想像します。
1 矢羽根が発明されるまで投げやりと弓矢の矢柄調整に矢柄研磨器が使われた。
2 矢柄研磨器を利用しない、より合理的な矢柄調整方法が発明された。
3 弓威力向上の開発が進み、微妙な矢柄調整は不必要となった。

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この矢柄研磨器はすでに2019.06.17記事「参考 矢柄研磨器 一鍬田甚兵衛山南遺跡出土 観察記録3Dモデル」で観察していますが、この度3Dモデルを調整し直すとともに、より詳細な観察を行いました。

2020年4月25日土曜日

縄文草創期の捉え方

縄文社会消長分析学習 10

4月は後期旧石器時代~縄文草創期を集中的に学習していますが、後期旧石器時代と縄文草創期の自分なりの時代イメージがだんだん明瞭になってきましたのでメモします。
考古歴史学習を進める上で時代イメージ(仮説的大局観)を自分なりに持つことは、学習意欲を駆りたて、学習の継続・加速上必須です。

1 後期旧石器時代後半のイメージ(仮説的大局観)
最終氷期クライマックス期となり寒冷化が強まり継続した
→寒冷化による生活困難が人社会で地球規模で進行した
→集団間の相互扶助の必要性が高まり、相互扶助が行われた
→集団間の交流が促進された
→集団間交流促進により人の言語能力が発達向上した
→言語能力発達により計画的思考能力が発達した
→計画的思考能力は発明的思考能力を向上させた
→発明的思考能力向上により各種発明が多発した(例 細石刃・弓・犬・竪穴住居…)
→集団間交流により発明共有・発明改良が広域現象となった
→集団間交流により発明が次の発明を触発する好循環が人社会に生まれた

後期旧石器時代後半の寒冷と激しい気候変動が人集団の交流を促し、言語を発達させ、それに伴い発明が多発して共有され、さらに発明が次の発明を呼ぶという好循環が発生したという人類進化的状況をイメージ(仮説)しました。
土器もこのような人類進化的状況のなかで東アジアの各所で同時的に発生したと考えます。

2 縄文草創期のイメージ(仮説的大局観)
温暖期と寒冷期が入れ替わるかつてない激しい気候変動に直面した
→前代までに手にすることができた発明資産(例 細石刃・弓・犬・竪穴住居…)を遠方の集団にまで普及させた
→普及した発明資産を地域の実情に合わせて改良をすすめ、生活困難克服に資した
→土器の普及が新たな食糧資源開発に結び付いた。(堅果類のアク抜き)
→集団間交流ネットワーク、交易ネットワークを一段と濃密に構築し、激しい気候変動に対応した
→呪文・神話などの言語が発達し、対応する「第二の道具」土偶が発明された


後期旧石器時代後半の東アジア人類社会進化の賜物を、縄文草創期列島人が地域の実情に合わせて発展させ、その道具やネットワークを使って激しい気候変動を乗り切ったという見立てです。

3 感想
1、2のように考えると、後期旧石器時代と縄文草創期は人類進化における一連で継続する歴史です。
縄文早期には温暖化がすすみ、海面も100m以上上昇して地形も大幅にかわり(海で列島が切り離され)、住みやすい環境が生まれることを考えると、後期旧石器時代と縄文草創期が一つの観察・思考単位であり、縄文早期~晩期が一つの観察・思考単位であると感じます。

参考 更新世/完新世の酸素同位体比変動(気温変動)と日本・ヨーロッパの遺跡の年代およびユーラシア大陸の考古学的区分
国立歴史民俗博物館研究報告第154集(2009)から引用

参考 ヨーロッパ・西アジアとの対比互換案
国立歴史民俗博物館研究報告第154集(2009)から引用

2020年4月15日水曜日

縄文草創期隆起線文土器の出土遺物と復元模造土器

縄文土器学習 400

縄文草創期隆起線文土器は土器出現最初期頃の土器ですから特別の興味がありますが、これまで出土遺物(土器片)だけの閲覧観察にとどまっていて、復元模造土器には巡り会ってきませんでした。
2019.06.16記事「隆起線文土器片 一鍬田甚兵衛山南遺跡出土 観察記録3Dモデル」など多数

ところが長野県立歴史館の縄文土器展示で出土隆起線文土器片の現物とそれから復元模造した土器に巡り会うことができました。大変参考になります。

1 縄文草創期隆起線文土器(岡谷市中島B遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文草創期隆起線文土器(岡谷市中島B遺跡) 観察記録3Dモデル 
約13000年前
出土土器片および復元模造土器 
撮影場所:長野県立歴史館 撮影月日:2020年2月14日 ガラス面越し撮影 実寸法付与 3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 26 images

展示の様子
左端の土器が縄文草創期隆起線文土器(岡谷市中島B遺跡)

縄文草創期隆起線文土器(岡谷市中島B遺跡) 3Dモデルから作成したアニメ

2 感想
出土土器片から草創期特有の硬質な感じが伝わってきます。
長年の風雪に耐えてボロボロになったという印象とは正反対で、固く締まり、色が明るく薄手の印象を受ける質感です。土器というものがハイテク製品で超高級製品であった時代の産物です。草創期土器は人々の生活に革命を起こし、人々はその生活革命を実感しながら丁寧に土器を作り扱っていたと想像します。

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3 長野県立歴史館縄文コーナー入り口の他の3土器

縄文草創期~早期表裏縄文土器(信濃町日向林A遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:長野県立歴史館
撮影月日:2020年2月14日
ガラス面越し撮影
実寸法付与
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 42 images

縄文早期貝殻条痕文土器(長野市村東山手遺跡) 観察記録3Dモデル
約7500年前
二枚貝などで土器の内外面を整えた土器。貝をひきずった時の条痕(筋目)が残っている。
撮影場所:長野県立歴史館
撮影月日:2020年2月14日
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 31 images

縄文前期羽状縄文土器(佐久市栗毛坂遺跡) 観察記録3Dモデル
約6000年前
右撚りと左撚りの縄を交互に転がす事で、羽のような縄模様が表現されている。
撮影場所:長野県立歴史館
撮影月日:2020年2月14日
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 28 images

2019年5月28日火曜日

縄文草創期隆起線文土器片の3Dモデル化成功

縄文土器学習 138

縄文草創期隆起線文土器のかけらに観察される微細な模様・凹凸を3Dモデルにすることができました。2月の観察では初歩的なミスで失敗したのですが、5月27日の資料閲覧での撮影写真でようやく3Dモデル化に成功しました。

一鍬田甚兵衛山南遺跡出土隆起線文土器片の3Dモデル 44図-5土器 (千葉県教育委員会所蔵)

44図-5土器の挿図
一鍬田甚兵衛山南遺跡発掘調査報告書から引用
土器片の大きさは大よそ3.5cm×3.5cmです。

隆起線文と口唇部の微細な刻みを3Dモデルで表現することができました。自分の技術レベルでは「快挙」です。
ボーっとしながら撮った写真を見返すだけではこれらの模様・凹凸を観察できるとは限りません。
閲覧した隆起線文土器片5点と共伴出土尖頭器5点・矢柄研磨機1点の3Dモデルを作成して順次観察考察できることは素晴らしい学習体験となります。
一鍬田甚兵衛山南遺跡出土資料の閲覧を2回にわたり許可していただいた千葉県教育委員会に感謝します。