参考として遺跡密度図(ヒートマップ)を作成するために途中経過として作成した擬似ブロット図を並べてみます。
旧石器時代、縄文時代の擬似プロット図
弥生時代、古墳時代の擬似プロット図
奈良時代、平安時代の擬似プロット図
擬似プロット図(アドレスマッチングによる位置をプロットした地図)は真性プロット図(正しい位置をプロットした地図)と比べると次のような特徴があります。
●擬似プロット図の特徴
ア プロットされている位置が、その遺跡所在の町丁大字の中心地です。正しい位置から平均して数百メートル位置がずれています。
イ 絵としての地図では、同じ町丁大字に多数の遺跡が存在していても、1ドットで表現されます。(電子情報としての地図では同じ位置に多数の遺跡情報が重なってプロットされています。)
絵としての擬似プロット図は一見してまことにもっともらしい地図ですが、上記のような特徴がありますから、分析的思考対象にするとそこには思いがけないバイアスが存在しています。
このような前提を踏まえた上で上記擬似プロット図を見てみると、2014.10.16記事「弥生・古墳の遺跡密度分布異常」で示した遺跡密度図(ヒートマップ)に表れたような明瞭な時代別分布特性の把握は困難です。
その困難さは擬似プロット図の特徴に起因するだけではなく、むしろそれよりも地図の大きさとドットの大きさの関係という別の要因によって遺跡高密度地域が潰れてしまっているためだと思われます。
つまりドットがある程度密集して近寄るとドットの塊に見えてしまい、それ以上にいくら密集度が上がっても同じに見えてしまう現象があるのだと思います。
この現象は地図の縮尺を変えれば(縮尺を大きくすれば)解消しますが、千葉県全体をみることは困難になります。
ドットプロット図はこのような特徴があるので、たとえ真性プロット図を用意できても、それをそのまま密度の分析的対象にすることはできないと思います。やはりヒートマップにして考察することになると思います。
ドットプロット図はそのもっともらしさ(データを全部プロットしていますという努力の結晶)を武器にプレゼンテーションで使う道具になると思います。
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