2014年10月31日金曜日

旧石器時代遺跡と地形 事例検討その2

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.2旧石器時代の移動路>3.2.8旧石器時代遺跡と地形 事例検討その2

2014.10.30記事「旧石器時代遺跡と地形 事例検討その1」をブログにアップして、その日の夕方千葉市中央図書館に出かけ、草刈遺跡と萱田遺跡群の資料を探しました。
千葉市中央図書館は夜9時まで利用できますから便利です。
草刈遺跡に関する発掘調査報告書は20冊以上に及び、表題からはどれを見たら北向崖下の遺跡が出ているのかわからず、10冊以上取り寄せ、結局「千原台ニュータウンⅩ-市原市草刈遺跡(東部地区旧石器時代)-」(平成15年、財団法人千葉県文化財センター)に知りたい情報が出ていることがわかりました。館外帯出できました。
萱田遺跡群も多数の報告書があるのですが、とりあえず北海道遺跡に関する報告書2冊も館外帯出しました。

「千原台ニュータウンⅩ-市原市草刈遺跡(東部地区旧石器時代)-」(平成15年、財団法人千葉県文化財センター)

早速「千原台ニュータウンⅩ-市原市草刈遺跡(東部地区旧石器時代)-」(平成15年、財団法人千葉県文化財センター)について、ざっと目を通してみると、石器の特色等(※)から、私が見立てた事柄(北向崖下遺跡は狩遺跡)と整合する情報ばかり掲載されているような印象を受けます。
とても驚きです。

掲載情報から自分の見立てが証明されるかもしれないという印象とともに、旧石器時代の狩に関するイメージをある程度具体的に持つことができるかもしれないという予想すらします。
そのような印象・感想を次に示します。

草刈遺跡に関する狩場イメージ
「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)から引用 図中に書き込み

これからこの資料を使ってこの狩場イメージを説明しますが、この見立てがデータから証明されるのか、あるいはデータを並べて勝手な空想をしただけで終わるのか、結果はこれからのお楽しみです。

なお、「千原台ニュータウンⅩ-市原市草刈遺跡(東部地区旧石器時代)-」(平成15年、財団法人千葉県文化財センター)では地形や位置の違いについて全く検討していません。
また、遺物集中地点の意義についても全く検討していません。遺物集中地点は「集落」という言葉を使って説明しており、すべて集落という概念で考えているようです。


獣皮を干す区域とイメージした遺物集中地点では、獣の解体に使われたと考えられるタイプの剥片があまり集中しないで出土しています。
台地上遺物集中地点では炉跡や焼礫が出土し、調理した跡と考えられます。しかし、ここでは剥片以外の石槍等を作った跡はないようです。本格的ベースキャンプではないことが考えられます。
石槍は個別単独に台地上でわずかに出土します。獣を追いかけている途中に地面に落ちたものと考えられます。

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