2015年7月11日土曜日

小字リストの著作権

小字地名データベース作成活用プロジェクト 18

現在このブログで進めている「角川日本地名大辞典 千葉県」の付録小字一覧電子化による千葉県小字データベース作成について、参考までに株式会社KADOKAWAにその権利関係について問い合わせを行い、次の回答をいただきました。
回答していただいた株式会社KADOKAWAにお礼申し上げます。
……………………………………………………………………
○○ ○様

『角川日本地名大辞典』をご愛用くださいましてまことにありがとうございます。

「小字一覧」は、資料を収集・選択し、本書地誌編に合わせて配列したもので、本編同様、角川日本地名大辞典編纂委員会が編集物としての著作権を持っています。

従いまして、データ化も含めて個人の利用の範囲内でのご利用は可能ですが、有償無償、目的の如何にかかわらず第三者への配布等はご遠慮いただいております。

恐れ入りますが、なにとぞご理解賜りますようお願い申し上げます。


株式会社KADOKAWA
ビジネス・生活文化局
(ビジネスサポートセンター)
……………………………………………………………………
この回答で次のような権利関係が明白になりました。
・「「小字一覧」は、資料を収集・選択し、本書地誌編に合わせて配列したもので、本編同様、角川日本地名大辞典編纂委員会が編集物としての著作権を持っています。」という回答から、①資料(自治体提供小字リスト等)の収集とその選択、②本書地誌編に合せた配列という2点にオリジナル性がある編集物であり、その編集を行った角川日本地名大辞典編纂委員会が著作権を持つということがわかりました。

・回答にはありませんが、小字名称そのものは歴史の所産であり著作権は存在していないと考えます。資料の取捨選択、配列順番等の編集があれば、その編集に著作権が発生するということです。

・「小字一覧」をそっくりそのままコピーなり電子化して配布等を行うことは角川日本地名大辞典編纂委員会の権利を侵害することがわかりました。

このブログにおける千葉県小字データベース作成は個人利用の範囲ですから全く問題ないことを確認しました。今後の活動は次のように進めたいと考えています。
・既定の方針通り「小字一覧」の電子化、データベース化を進め、千葉県全域をカバーします。
・作成した「小字一覧」電子化成果物(データベース)を使って、古代社会解明等の分析に大いに活用します。

同時に、この回答からオリジナルな千葉県小字データベース作成(編集)の必要性を強く感じるようになりました。
「小字一覧」は素晴らしい著作物ですが、時代遅れになっている側面も強く感じます。そうした借用物にいつまでも固執している必要は全くないと考えます。
「小字一覧」を土台にして次のような作業を行い、「小字一覧」とは別の著作物としての千葉県小字データベースを将来作りたいと思います。

●「小字一覧」とは別の著作物としての千葉県小字データベース作成のための作業項目
・「小字一覧」はその配列が独自ですからきわめて使いにくいのです。その使いにくさが「権利」の証拠になっているのですが、そんな独自配列は止めたいと思います。千葉市行政区設立、市町村合併などの行政域変更も踏まえ、市町村別配列の変更が必要です。
・市町村内の大字配列も「小字一覧」は市町村提出元資料そのもので、特段の編集はされていないように見受けられますが、データベースにするからには一定の法則で配列し直す必要があります。
・大字内の小字配列も元資料の通りで「小字一覧」の独自編集の跡は感じられませんが、この配列も一定の法則でし直す必要があります。
・「小字一覧」が作成された昭和59年以降、各市域で小字に関する様々な資料が発掘され、また調査研究等により新資料が生れています。これらの発掘資料、新資料の情報取り込みがデータベースには必要です。
・「小字一覧」にはデータ欠、ルビ欠などさまざまな不備があります。これらの不備の補正が必要です。

当面は何はともあれ、「小字一覧」の丸ごと電子化を完成させます。

花見川の早朝風景

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