2021年4月28日水曜日

有吉北貝塚土坑分布図作成作業 3

 縄文社会消長分析学習 89

有吉北貝塚学習の重要インフラの1つであるGIS連動土坑データベースの最初バージョンと管理システムが完成しました。使い勝手を試す意味で時期別土坑分布図を作成してみました。

1 時期別土坑分布図


有吉北貝塚 阿玉台式土器が出土した土坑


有吉北貝塚 中峠式土器が出土した土坑


有吉北貝塚 加曽利EⅠ式土器が出土した土坑


有吉北貝塚 加曽利EⅡ式土器が出土した土坑


有吉北貝塚 加曽利EⅢ・Ⅳ式土器が出土した土坑

5枚の分布図を眺めてみると次の感想が浮かびます。詳しい分布検討はあらためて行うことにします。

・阿玉台式期に既に環状分布(あるいは中央を空けた南北分布)が見られる。環状分布の様子は加曽利EⅢ・Ⅳ式期まで残る。

・阿玉台式→中峠式→加曽利EⅠ式→加曽利EⅡ式と時間経過とともに「環」が内外に拡大し、密度が増す。

・加曽利EⅡ式→加曽利EⅢ・Ⅳ式で破局的に土坑が急減する。

・環中央の空地に見事に中期土坑がゼロであることは特筆すべき事象で、その理由検討を今後大いに楽しむことにします。

2 参考 時期別土坑分布図の立体表示

垂直倍率:×3.0

DEMは1960年代千葉市都市図等高線からGRASS・QGISで生成


有吉北貝塚 阿玉台式土器が出土した土坑


有吉北貝塚 中峠式土器が出土した土坑


有吉北貝塚 加曽利EⅠ式土器が出土した土坑


有吉北貝塚 加曽利EⅡ式土器が出土した土坑


有吉北貝塚 加曽利EⅢ・Ⅳ式土器が出土した土坑

3 GIS連動土坑データベースの様子


FileMakerリレーションの様子

ア 発掘調査報告書掲載遺構分布図から土坑をQGISにプロットする。

イ 発掘調査報告書土坑一覧表を電子化する。

ウ アとイを土坑No.(SK023などの記号)で連動させる

FileMakerで土坑情報を管理することにより作業が効率的に行えます。また作業の発展に対応できます。

QGISでもテーブル結合により同じ機能を実現できます。(使い勝手がFileMakerに劣ります。)


2つのファイルを結合したFileMaker画面(表形式表示)

4 感想

有吉北貝塚学習の大きな関門であった土坑データベース作成の最初段階をなんとか突破できました。今後さらに土坑一覧表掲載情報の追加入力作業を行います。

竪穴住居データベースや土坑データベースを活用しながら、学習を内容面で深め、発掘調査報告書解読作業を楽しみ倒したいと思います。



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