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2024年12月29日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図の3Dモデル化技術テスト

 Technical test to create 3D model of the ground plan of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


A technical test was successfully conducted to read the many elevation points written on the ground plan of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound (excavation survey original record) with a homemade app and create a 3D terrain model from that data (random point cloud with XYZ coordinate values) using QGIS (GRASS plugin). QGIS was used as a virtual terrain generation tool.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図(発掘調査原票)に記載されている標高点多数を自作アプリで読み取り、そのデータ(XYZ座標値付ランダム点群)からQGIS(GRASSプラグイン)により地形3Dモデルを作成する技術テストに成功しました。QGISは仮想地形生成ツールとして利用しました。

1 地山平面図からデータを読みとった様子

Ⅱ-39グリッドとその周辺を対象に約100点のXYZ座標を自作アプリで読みとりました。

2024.12.24記事「XYZ座標値付ランダム点群データ作成アプリの開発


自作アプリ画面(標高を読みとったポイントに赤丸でチェックが入る)


アプリから吐き出されたcsvファイル画面(一部)

2 ランダム点群のQGIS表示


ランダム点群のQGIS表示

csvファイルをQGISにレイヤとして追加します。

QGISは仮想地形生成ツールとして利用しています。現実の地理空間、現実の地形とは無関係にその機能だけを利用します。(※北斜面貝層のグリッドが狭小(2m×2m)であることや、グリッドの方向が経緯線方向と角度があるためなどの理由により、今回作業はQGISの仮想地形生成機能だけを利用しました。)

3 ランダム点群レイヤをGRASSデータセットにインポート

GRASSプラグインのv.in.asciiツールでcsvファイルをGRASSフォーマットに変換します。

4 GRASSプラグインv.surf.rstツールによる3D地形モデル作成

GRASSプラグインのv.surf.rstツールで3D地形モデルを作成します。


QGISで3D地形モデルをつくった様子(平面表示)


QGISで3D地形モデルをつくった様子(3D表示)

5 有吉北貝塚北斜面貝層Ⅱ-39グリッドの地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層Ⅱ-39グリッドの地山地形3Dモデル


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

6 メモ1

技術テストがクリアできたので、全グリッドを対象にXYZ座標値付ランダム点群データを作成し、それを集成して、北斜面貝層地山地形3Dモデルを作成します。

7 メモ2

3Dモデルに凹地が2箇所ありますが、この凹地はポットホールです。北斜面貝層地山には多数のポットホールがあります。ポットホール形成と貝殻や土器片投棄が関係しているのか否か、秘かなる興味を抱いています。


2022年9月1日木曜日

縄文土器写真の3Dモデル化

 D modeling of photographs of Jomon pottery


For reference, I made a 3D model of a Jomon pottery photo. I colorized the black-and-white photo with Photoshop and made it into a 3D model as well.


参考までに縄文土器写真を3Dモデル化しました。モノクロ写真をPhotoshopでカラー化して、それも3Dモデルにしました。

1 縄文土器写真の3Dモデル化

縄文土器写真の3Dモデル化


縄文土器実測図・縄文土器写真・縄文土器写真(Photoshopによるカラー化)


3Dモデルの画像

2 感想

・写真はオルソ画像ではないので、写真3Dモデルは厳密な3Dモデルではありませんが、参考資料として利用できる場面があると思います。

・発掘調査報告書の写真は一般にモノクロ画像ですが、Photoshopニューラル機能でカラー化することで、見やすい参考資料になります。発掘時のカラーを、当たらずとも遠からず程度には反映していると考えます。


2022年8月30日火曜日

縄文土器実測図の3Dモデル化の例

 Example of 3D modeling of Jomon pottery survey map


The basis of the method of rationally creating a 3D model from the Jomon pottery survey map was established. Use Blender's Bsurfaces and UV projection features.


縄文土器実測図から3Dモデルを合理的に作成する方法の基礎が出来ました。BlenderのBsurfaces機能とUV投影機能を使います。

1 縄文土器実測図の3Dモデル化の例

縄文土器実測図の3Dモデル化の例


縄文土器実測図(千葉市大膳野南貝塚1号屋外漆喰炉出土土器3)

大膳野南貝塚発掘調査報告書から引用

3Dモデルは実測図外縁線からBlenderのBsurfaces機能で作成。

文様貼り付けはBlenderのUV投影機能を利用。


縄文土器実測図の3Dモデル化の例画像

2 作成の主なステップ

2-1 BlenderのBsurfaces機能による3Dモデル作成


BlenderのBsurfaces機能による3Dモデル作成

2-2 BlenderのUV投影機能による文様の貼り付け(ラップ)


BlenderのUV投影機能による文様の貼り付け(ラップ)

3 感想

・2022.08.29記事で文様貼り付け(ラップ)にBlenderのシュリンクラップ機能に着目しましたが、同じ機能ですが、UV投影機能の方がはるかに使いやすいことが判りました。

・縄文土器実測図から3Dモデルを作成する方法の基礎は出来ました。3Dモデルに厚みを付けるとか、欠けを表現するとか、色を付けるとかの応用は今後の課題として、発展できるに違いありません。

・Blenderの高機能に驚くとともに、その機能に習熟する必要性を痛感しています。

・8月を「Blender強化月間」として寝ても覚めてもBlenderに取り組んできましたが、面白くなってきましたので、9月も引き続き「Blender強化月間」としてBlender習熟に取り組むことにします。実測図の3Dモデル化を(自分レベルで)極めたいと思います。


2022年7月28日木曜日

発掘調査各種実測図の3Dモデル化

 3D modeling of various actual measurements of archaeological excavation


I will make 3D models of various actual measurements published in the excavation report and use them as learning tools. I've created some rudimentary 3D models so far, but I want to be able to create better 3D models, so for the time being I'm familiar with Blender's features.


発掘調査報告書に掲載されている各種実測図を3Dモデル化して学習ツールとして活用することにします。これまで初歩的な3Dモデルを幾つか作成してきました。しかしこの度は、趣旨は同じ簡易3Dモデルでももう少しマシな3Dモデルをつくれるになりたいと思い、8月の自分の趣味活動メインテーマにしたいと思います。当座はBlenderの諸機能に精通して、それでできる範囲の簡易3Dモデルをつくってみることにします。

1 遺跡地形3Dモデル

1-1 既作成例


発掘前地形復元3Dモデル

QGIS(GRASS)機能で旧版都市図等高線から地形を3Dモデル化し、遺構配置図とオーバーレイしたモデル。


貝層基底面高度分布図3Dモデル

貝層断面図高度データで作成した等高線から作成した仮想地形3Dモデル

1-2 課題

BlenderのBsurfaces機能等を使い、紙等高線などから、より簡易的に地形3Dモデルを作成できるようにします。

2 貝層3Dモデル

2-1 既作成例


貝層断面図の3D配置モデル

多数貝層断面図を3D空間に正しく配置したモデル。

2-2 課題

断面図情報をつなぎ合わせて、簡易的推察的ではあるが、貝層が3D実体として表現されたモデル作成を目指すこととします。正確な3D座標を有していて、貝層と出土遺物の精細な空間相関分析を可能ならしめたいと思います。

3 竪穴住居、土坑、炉穴、陥穴、炉等の3Dモデル

3-1 既作成例


炉の3Dモデル

炉の断面図、平面図を3D空間に配置し、土器を置いたモデル。

3-2 課題

Blenderの平面プロポーショナル編集で次のようなモデルを、実測図をなぞるような作業でかなり正確につくることができます。簡易的なモデルならばこの機能をメインにしてある程度使えそうなものが出来そうです。


Blenderの平面プロポーショナル編集例


炉の3Dモデルにプロポーショナル編集を加えた例

4 土器、石器等出土遺物

4-1 既作成例


回転体に実測図を貼り付けた3Dモデル


回転体

4-2 課題

BlenderのBsurfaces機能で単純(正円)回転体ではない「いびつ」な(自由な)回転体様立体をつくることができます。また把手などは別につくり、付加することも可能です。実測図だけの情報から簡易的ではあるが、訴求力もある遺物3Dモデル作成を目指すことにします。


2019年5月28日火曜日

縄文草創期隆起線文土器片の3Dモデル化成功

縄文土器学習 138

縄文草創期隆起線文土器のかけらに観察される微細な模様・凹凸を3Dモデルにすることができました。2月の観察では初歩的なミスで失敗したのですが、5月27日の資料閲覧での撮影写真でようやく3Dモデル化に成功しました。

一鍬田甚兵衛山南遺跡出土隆起線文土器片の3Dモデル 44図-5土器 (千葉県教育委員会所蔵)

44図-5土器の挿図
一鍬田甚兵衛山南遺跡発掘調査報告書から引用
土器片の大きさは大よそ3.5cm×3.5cmです。

隆起線文と口唇部の微細な刻みを3Dモデルで表現することができました。自分の技術レベルでは「快挙」です。
ボーっとしながら撮った写真を見返すだけではこれらの模様・凹凸を観察できるとは限りません。
閲覧した隆起線文土器片5点と共伴出土尖頭器5点・矢柄研磨機1点の3Dモデルを作成して順次観察考察できることは素晴らしい学習体験となります。
一鍬田甚兵衛山南遺跡出土資料の閲覧を2回にわたり許可していただいた千葉県教育委員会に感謝します。

2019年2月27日水曜日

海老ケ作貝塚出土獣面把手土器の3Dモデル化

縄文土器学習 46

飛ノ台史跡公園博物館常設展に展示されている船橋市海老ケ作貝塚出土獣面把手土器の3Dモデル化が思いのほか満足感の得られるものになりましたのでその要因と様子をメモします。

1 獣面把手土器の展示状況と写真撮影
飛ノ台史跡公園博物館常設展に展示されている船橋市海老ケ作貝塚出土獣面把手土器は3階ホールの中央に設置された台に置かれていて、周囲に遮るガラスや地物が全くありません。360度自由に写真撮影できます。
このような好条件の下で土器を水平からと斜め上から2回にわたりぐるりとまわりながら全部で47枚の写真を撮影しました。

撮影写真の一部

2 3DF Zephyr Freeによる3Dモデル化
写真計測用ソフトウェア3DF Zephyr Freeを使い47枚の写真から3Dモデルを作成しました。
3Dモデルの出来は期待以上に満足感が得られたものになりました。このモデルをパソコンの中でいじりながら細部の立体模様の状況を詳しく観察することができます。

獣面把手土器の3Dモデル画面

獣面把手土器の3Dモデル画面

獣面把手土器の3Dモデル画面

獣面把手土器の3Dモデル画面

獣面把手土器の3Dモデル画面

3 海老ケ作貝塚出土獣面把手土器について
「海老ケ作貝塚 -縄文時代中期集落祉調査報告-」(1972、船橋市教育委員会)ではこの獣面把手土器について次のように説明しています。
・竪穴住居祉から出土
・褐色土中より発見された深鉢土器である。大きい立体把手と対面に小さい把手を口縁上に配する。大きい立体把手は獣面を表している。把手と把手の間には、1個づつかたつむり状の隆帯を付ける。文様は隆帯と沈線の組み合わせによる渦巻文が主文として埋まる。胴部に一条隆帯がまわり、胴部は無文である。
・本祉の時期は第Ⅲ類土器に分類でき、海老ケ作集落盛期の住居である。土器はいわゆるプレ加曽利EⅠ式、原加曽利EⅠ式に該当し、加曽利E式期に含めて考えることができる。
・遺跡全体では阿玉台式土器と勝坂式土器の影響をうけ、後者の影響が強い。

土器実測図
「海老ケ作貝塚 -縄文時代中期集落祉調査報告-」(1972、船橋市教育委員会)から引用

土器写真
「海老ケ作貝塚 -縄文時代中期集落祉調査報告-」(1972、船橋市教育委員会)から引用

4 感想
土器を学習する上で展示物をその展示会場で観察することには限界があり、記録を写真で残し、後日写真で観察しなおすことになります。しかし写真では立体物の詳細をリアルに観察することが困難です。立体の状況を写真ではリアルにイメージできない場合があります。そのため学習資料として土器3Dモデル作成に取り組みました。
そうしたところ、今回の獣面把手土器3Dモデル作成により、単に技術上それが可能であるだけでなく、360度からの撮影が可能であるという条件が整えば他の学習者とも情報共有ができるレベル、つまり「製品」的レベルの3Dモデル作成が可能であることに気づくことができました。
縄文土器所蔵機関と学習者グループの間で協力の仕組みができれば、一般公開のための学習用縄文土器3Dモデル図鑑作成も夢ではありません。

5 海老ケ作貝塚出土獣面把手土器に興味をもったきっかけ
Twitterの焼町焼さんの「千葉のくせに見事な勝坂」に強い刺激を受けてこの土器に興味をもちました。
このTwitterの前に、加曽利貝塚博物館講演会で佐藤洋学芸員から有吉北貝塚では勝坂式土器そっくりさんが出土しているが隆帯で作るべきを沈線でごまかしていて、そっくりさんだとの紹介がありました。講演会情報とTwitterで、船橋には勝坂が来ていて、千葉には来ていないという地理分布上の問題意識が芽生えました。