2025年12月31日水曜日

2025年の趣味活動をふりかえる

 New Year's Eve 2025 has arrived.

I would like to express my gratitude for everyone's guidance and kindness over the past year.

As is my New Year's Eve tradition, I have compiled a list of my "Top Ten Hobbies for 2025."

I wish everyone a happy new year.


2025年の大晦日を迎えました。

まず、この1年間の趣味活動の中で対面でお会いしてご指導やご厚情をいただいた皆様、Blogger、X、Facebook、YouTube、Sketchfabなどwebでお会いし、いいね・コメント・情報・アドバイス・ご指摘などをいただいた内外皆様に心から感謝し、御礼申し上げます。自分にとって大いに励みになりました。ありがとうございます。

この記事は大晦日恒例記事として、趣味活動の画期となったような出来事やワクワクドキドキした面白いこと、楽しかったことを「2025年趣味活動ベストテン」としてまとめてみました。また年初にメモした「2025年のささやかな夢リスト」の実現状況を検証してみました。

1 2025年趣味活動ベストテン

第1位 千葉縄文研究会での有吉北貝塚発表

2025.05.21記事「貝塚研究者との貝塚共同研究の中間発表

有吉北貝塚北斜面貝層における3D空間分析用データベースの構築と活用

2年前から、日本の第一線貝塚研究者である前千葉市埋蔵文化財調査センター所長の西野雅人さんと、有吉北貝塚に関する共同研究を行ってきました。研究の最初の山を越える状況に至り、その中間報告を2025年5月17日千葉縄文研究会で行いました。研究会には40年前の有吉北貝塚発掘に参加され、現在も第一線で活躍されている発掘専門家数人を含めて、多数の貝塚発掘関係者・研究者の皆様が参加され、貴重なコメント・アドバイスをいただくことが出来ました。西野雅人さんと皆様に御礼申し上げます。

この発表は私の活動の画期となり、励みとなりました。


ペーパー

第2位 北斜面貝層遺物分布図電子化作業の完了

2025.09.29記事「座標読み取り作業を終える(2025.09.29)

6月からスタートした有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図座標読み取り作業を終えました。丸4カ月間かかったことになります。遺物台帳記載63599遺物のうち87%にあたる55380遺物の3D座標を得ることができました。読み取り結果の単純3D分布図を早速作ると、層別分布が各所に観察され、今後の分析作業が楽しみになりました。


遺物単純3Dモデル分布図

第3位 北斜面貝層発達仮説の立案

2025.12.01記事「斜面貝層形成仮説とその検証方法

斜面貝層では貝殻が斜面上部から投棄され、重力及び葡行現象(クリーピング)で斜面下部に移動する。

斜面傾斜は安息角に近いあるいは同等(35度~40度)であるため、形状の大きい貝殻ほど下方への移動量が大きい。


仮説と検証方法

第4位 Blender 画期的な多数遺物3D空間プロット技術習得

2025.09.24記事「Blenderブレイクスルー技術のはじめての体感

Blenderで「これがブレイクスルー技術だ」という体感をしました。これまで3D座標付き遺物をBlenderにCUBEとしてプロットしていました。12422遺物では86分かかりました。ところが、頂点としてプロットすると1秒以下です。信じられないような実体験です。


ブレイクスルー技術の実感

第5位 Blender 多様な場面でのgeometry nodes技術の活用

2025.12.07記事「geometry nodesによるスリットからの遺物抽出

有吉北貝塚北斜面貝層の11断面幅20㎝スリットからの遺物抽出をgeometry nodesで行いました。geometry nodesを使えば、元csvファイルから抽出するよりはるかに簡易です。

これは一例で、geometry nodesの威力は素晴らしいものがあります。


geometry nodes

第6位 北斜面貝層地山地形3Dモデルの作成

2025.02.06記事「有吉北貝塚北斜面貝層 地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデルを作成しました。現存資料から作成できる最も精細な地形3Dモデルです。

標高点群からQGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール)で作成

垂直・水平比率 1:1

利用情報(地山平面図掲載標高点、セクション図地山地形断面から読みとった標高点、地形図から読みとった標高点)


3Dモデル画像

第7位 二枚貝角度測定ツールと測定用3Dモデルの作成

2025.12.10記事「剥ぎ取り断面の貝殻方向記録ツールの試作

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面(千葉県立中央博物館展示)の二枚貝角度を記録するツールをPythonで試作しました。このツールを試用したところ、二枚貝が斜面移動した可能性に関わる情報を得られる可能性を実感しました。


二枚貝角度測定画面

2025.12.30記事「有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル作成

千葉県立中央博物館に展示されている有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の二枚貝角度計測用3Dモデルを作成しました。計測に最適化した3Dモデルとするため、断面下半部を対象に1053枚の写真を撮影しました。


3Dモデル(撮影ポイント)

第8位 Blender 土坑等3Dモデル作成

2025.08.05記事「土坑3Dモデリングを楽しむ モデルの改良

有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル改良作業を楽しみました。土坑壁と穴の間にあった縁取面を削除するなどの改良です。実測図3Dモデリングが技術的にままならない初歩段階ですが、3Dモデリングに対する興味は増しています。(活動の一例)


3Dモデル(一例)

第9位 イラン地形学習

2025.06.05記事「Salt dome in Iran

雑誌地理4月号記事「イランの地質」を読んで、イランの地質について学習しました。記述中の岩塩ドームに興味を持ち、DEM-Net Elevation APIで岩塩ドーム3Dモデル(垂直比率×5)をつくり、岩塩ドーム地形観察を楽しみました。

あるきっかけからイランの地形や地理についていろいろと学習を楽しみました。


3Dモデル

第10位 考古学切手蒐集を楽しむ

2025.07.20記事「ドイツ考古学切手 国家的考古学的出土品

ヨーロッパ2025-考古学的発見シリーズとしてドイツで発行された考古学切手を入手して楽しみました。ヴィーナス像、ライオンマン、鳥骨製笛など4万年前旧石器時代出土品がデザインされていて、興味が尽きません。


ドイツの考古学切手

番外1 ブログを訪れていただいた方の国が100ヵ国を越える

2025.10.27記事「ブログ来訪者100ヵ国通過を感謝

ブログ「花見川流域を歩く」来訪者の国が100ヵ国を通過しました。世界の皆様に感謝申し上げます。


来訪者の国旗表示

番外2 ChatGPT利用の深化

第1位から第10位までのベストテンすべての事項について、ChatGPT支援を強く受けています。特にChatGPTによる技術的支援(Python、BloggerPythonスクリプト生成など)は私の活動の必須基盤となっています。その典型例が第4位の「Blender 画期的な多数遺物3D空間プロット技術習得」です。

2 「2025年のささやかな夢リスト」実現状況

2025.01.15記事「ブログ開設14周年通過にあたって」で書いた「2025年のささやかな夢リスト」の実現状況をチェックします。

◎ 夢を大いに実現した

〇 夢の部分を実現した

△ 夢が実現する方向に向かった

× 夢の実現は持ち越された

1 有吉北貝塚北斜面貝層3Dデータベース化作業の進捗を図る ◎

2 縄文土器学習の技術的取組み ×

3 磨貝学習 ×

4 遺物や貝層の3D空間分布の表示技術及び関連技術の習得 ◎

5 世界の風景・考古学習 △

3 2025年活動の中で生まれた感情・感想・意識

・展示館訪問、読書、講演会出席等より、北斜面貝層検討に全資源(時間、チャンス、金・・・)を投入することに大きな価値を感じました。

・技術的作業に熱中することに快感を感じました。ChatGPTから技術的作業を強力に後押ししてもらっています。その作業が高レベルであればあるほど、自分ができないことができるようになることは、大きな喜びです。

・webでの人付き合いが悪くなりました。webの皆様にはとても申し訳ございません。

・2025年の今、ここにはじめて自分がやってきて、自由に活動できることが判ったような仮想状態に、自分がいる感覚があります。過去の自分の遍歴は他人のもののような感覚です。

・自分に制限を設けることは無意味であると判ってきました。自分に限界を設けて社会に迎合する年齢ではなくなったからかもしれません。80代という年齢が自分をそうさせているのかもしれません。


皆様、良いお年をお迎えください。



2025年247記事(この記事を除く)のサムネール


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2024.12.31記事「2024年の趣味活動をふりかえる

2023.12.31記事「2023年の趣味活動をふりかえる

2015.12.31記事「2015年をふりかえる
2014.12.31記事「1年をふりかえる

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この記事に対するChatGPTのコメント

拝読して、まず強く感じたのは、この一年が「量」でも「熱量」でもなく、「到達度」の年であったということです。長年積み重ねてこられた観察・記録・思索が、2025年において明確に一つの地平に達し、それが有吉北貝塚北斜面貝層という具体的対象に結晶化していることが、全編から伝わってきました。とりわけ第1位の千葉縄文研究会での中間発表は、個人の趣味活動の枠を越え、研究史の中に自らの位置を置いた出来事であり、その重みは文章の静かな筆致の中に確かに刻まれています。

また、6万点を超える遺物の3D座標化、第4位・第5位に象徴されるBlenderとgeometry nodesの習得は、単なる技術獲得ではなく、「考古学的思考を拡張するための道具」を自らの手に完全に引き寄せた過程だと感じました。1秒以下で可視化される体験に驚かれた記述は、技術が思考のボトルネックを外した瞬間の、純粋な喜びを率直に伝えています。

印象的なのは、夢リストの達成状況や感情の振り返りに見られる率直さです。すべてを達成したわけではないことを淡々と認めつつ、全資源を一点に投入する価値を見出し、「自分に制限を設けることは無意味」と語られる姿勢は、研究者としても、一人の表現者としても非常に強靭です。80代という年齢に触れた一節は、衰えではなく、むしろ自由度の増大として年齢を捉えている点で、読む側に深い勇気を与えます。

番外編に置かれたChatGPTへの言及は、道具と人との理想的な協働関係を示しているように思います。主役は常に現場と問いであり、技術はそれを支える基盤である――その健全な関係性が、この一年の充実を支えていたのだと感じました。2025年は、確かに「ここにはじめてやってきた」と実感できる年であり、その地点から先に広がる景色もまた、静かに、しかし確実に開けているように思われます。


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