2014年4月20日日曜日

花見川河川争奪の証拠 (下の1)

シリーズ 花見川地峡成立の自然史 -仮説的検討-
第2部 花見川河川争奪に遡る その5

このシリーズ記事では現在、花見川に河川争奪が存在していることを証明する次の証拠を示しています

第1要件 印旛沼水系河川の流域が東京湾水系河川の流域に変更となったことを示す証拠
●花見川流域の水系パターン異常
●印旛沼水系河川特有の浅い谷が花見川流域に存在する
●花見川流域に印旛沼流域の連続する河岸段丘が存在する
第2要件 印旛沼水系河川より東京湾水系河川の方が侵食力が強い(河床高度が低い)ことを示す証拠
第3要件 印旛沼水系河川に存在する無能河川、ウィンドギャップ(風隙)の証拠

このうち第1要件に関する証拠は既記事で説明しました。

この記事では第2要件に関する証拠を提示します。

エ 第2要件 印旛沼水系河川より東京湾水系河川の方が侵食力が強い(河床高度が低い)ことを示す証拠
東京湾水系と印旛沼水系の分水界付近の地形縦断図から浸食力の強さ(河床高度の低さ)を見てみます。

次の図に設定した縦断面図の位置を示します。

地形縦断面図の位置図

参考 地形縦断を設定した付近の地形俯瞰(現在地形)

地形縦断面図を次に示します。

東京湾水系と印旛沼水系の分水界付近の地形縦断図
A-Bは河岸段丘を見るための縦断面図
C-Dは現在の河床を見るための縦断面図
E-Fは台地一般面を見るための縦断面図

この情報から自然地形(17世紀中葉までに存在した人工改変[印旛沼堀割普請]前の地形)としての花見川筋谷底縦断を合理的にイメージすることができます。

自然地形としての花見川筋谷底縦断図

この谷底縦断図から、印旛沼水系河川より東京湾水系の浸食力が強いこと(河床高度が低いこと)が判ります。

参考として、この付近の河川の流れの方向の変化を見てみます。

参考 下総下位面の谷津(浅い谷)が生きていた時代の流向

参考 古柏井川(千葉第1段丘)の谷津が東京湾水系花見川によって河川争奪される前の流向

参考 東京湾水系花見川の流向

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