2019年6月8日土曜日

加曽利B3式期 山形土偶 加曽利貝塚出土 観察記録3Dモデル

縄文土器学習 150

加曽利B3式期の山形土偶(加曽利貝塚出土)観察記録3Dモデルを作成しました。

加曽利B3式 山形土偶 加曽利貝塚出土 観察記録3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館
撮影月日:2019.05.16

山形土偶展示の様子

山形土偶展示の様子

髪型が山形なので山形土偶と呼ばれるそうです。耳が隠れるようなおかっぱの髪型だったのでしょうか。耳付近の孔は耳飾りを表現していると考えられます。
乳房の間から下腹部につづく帯状のものは妊娠正中線を表現していると判断できます。妊娠正中線とそれを境に大きなおなかが二つに割れているような様子はそうした要素をデフォルメしていて、妊娠がこの像で占める位置が大きなものであることを示しています。
3Dモデルで可能となる乳房の横方向観察で、乳房の形状が他の部分と比べて特段に精密でリアルかつ理想的に表現されていることが判ります。乳房は単なる出っ張りではありません。乳房の造形の精緻さと較べると顔や手足の造形はとってつけた粘土塊そのものです。
この土偶を造形した縄文人は乳房に最大のエネルギーを投入したことは確実です。

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