2019年6月4日火曜日

茅山上層式土器の特徴と分布

縄文土器学習 146

この記事は2019.06.02記事「茅山上層式土器 市川市雷下遺跡(5)地点 観察記録3Dモデル」のつづきです。

1 茅山上層式土器
2019.06.02記事に雷下遺跡出土茅山上層式土器の観察記録3Dモデルを掲載しました。

茅山上層式土器 雷下遺跡出土 市立市川考古博物館展示

2 茅山上層式土器の特徴 総覧縄文土器から引用
茅山上層式土器は縄文早期後半から前期初頭に編年される条痕文系土器の形式の1つです。
条痕文系土器は胎土に繊維を含み放射肋(あばら)を持つ貝殻腹縁を用いて器面に条痕を施すことから「条痕文系土器」と呼ばれる。汎日本的に分布域を拡大する土器様式である。
「茅山上層式
およそ3段階の変遷が考えられている。最古段階にくびれの器形が形骸化して残存するが、小さな平底をもつくびれのない器形(28)が一般的となり、全体的に無文化傾向が強くなる。1帯を段部(30)や隆帯・沈線で区画するものが多く、茅山下層式から系譜する鋸歯状や弧線状の集合構成文を沈線(29)や結節沈線(27)で施文するものが主体となり、口縁部にタガ状の隆帯を巡らし、波頂部から隆帯を垂下するのみの構成もある。関東一円に絡条体圧痕文土器が分布するようになり、東海地方の粕畑式(32)の影響を受け、波状口縁に沿って刺突文を2~3列施文する土器群(31)が成立する。」

条痕文系土器群の編年細別図 1 総覧縄文土器から引用 改変

条痕文系土器群の編年細別図 2 総覧縄文土器から引用 改変

3 茅山上層式土器の較正年代

茅山上層式土器の較正年代
小澤政彦先生講演「東関東(千葉県域)の加曽利E式」資料(2019.02.24)では条痕文系土器の較正年代が8405~7050年前calBPとなっています。

4 茅山上層式土器の千葉県域分布

茅山上層式土器出土遺跡
私家版千葉県遺跡データベースで茅山上層式を検索すると47レコード(遺跡)がヒットします。

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