縄文土器学習 598
この記事では有吉北貝塚北斜面貝層出土加曽利EⅡ式土器のうち第10群キャリパー形深鉢の紙上観察を行います。
1 キャリパー形深鉢の例
キャリパー深鉢の事例として16点の土器についてカード化して観察しました。ここでは次の3点を示します。
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2 メモ
・第9群は磨消垂下文以前、第10群は磨消垂下文以降ですから、9群と10群の分別は疑問の余地が生まれません。
・第10群と第11群(渦巻文の退化、胴部磨消の拡大などの時期)の分別に関する検討は第11群観察で行います。
・口縁部文様帯を詳しく観察しました。
第10群土器(キャリパー形)の観察
次の3点を特徴としてピックアップできます。
ア 渦巻文は長い尾を持つ
イ 渦巻文(渦巻+長い尾)は口縁部円周のほとんどを占めるものが多い
ウ 渦巻文が文様の主題であり、区画文が残部を埋める従属要素となっている。
・想像レベルの思考では次のような可能性を考えました。
ア 渦巻文…渦巻→泉、尾→河川
イ 区画文…区画→土地空間(ある集団が生業生活で使っている土地空間)
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