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2025年4月29日火曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の斜面性貝層分層出土遺物の3D分布モデル

 3D distribution model of excavated artifacts from the sloping shell layer of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


The sloping shell layer of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound was divided into six layers, and a 3D distribution model of the artifacts excavated from them was created. The distribution of artifacts traces the distribution of the shell layers, and it can be observed that the older shell layers are located above the slope and the newer shell layers are located below the slope.


有吉北貝塚北斜面貝層の斜面性貝層を6つに分層して、それらから出土した遺物の3D分布モデルを作成しました。遺物分布は貝層分布をトレースしていて、古い貝層から新しい貝層の順に斜面を下っている様子が観察できます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の斜面性貝層分層出土遺物の3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層の斜面性貝層分層出土遺物の3D分布モデル

場所:有吉北貝塚北斜面貝層検討空間(10断面と11断面に挟まれた空間)

遺物:CUBE(5㎝×5㎝×5㎝)で示す 白は白色貝層出土、褐色は褐色貝層出土

10断面(手前)と11断面(奥)の間隔は2m


参考 斜面性貝層細区分

3DF Zephyr v8.005でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 斜面性貝層6分層別遺物分布


斜面性貝層6分層別遺物分布

6分層別に遺物分布を切り出して比較しました。

遺物分布は貝層分布をトレースしていて、古い貝層から新しい貝層に向かって斜面の上から下に移動している様子がわかります。斜面利用が上から始まり、下に移動しました。また遺物分布(貝層分布)の斜面全長に占める割合が小→大→小と変化していることも特徴です。貝殻投棄(貝層形成)と遺物投棄に関わる活動内容が時期によって変化している様子がこうした出土状況に投影されているのかもしれません。

3 メモ

分層別統計は次の記事に掲載しています。

2025.04.05記事「斜面貝層細区分と遺物3D分布モデル



2025年3月3日月曜日

テストグリッドの貝製品・骨製品3D分布モデル作成

 Creation of a 3D distribution model of shell and bone products in a test grid


A 3D distribution model of shell and bone products excavated from grid 331 of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound was created. Shell products (shell blades) are distributed from the middle to lower part of the split shell layer, but not in the upper part. This is similar to the distribution of pottery and earthenware products.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した貝製品・骨製品3D分布モデルを作成しました。貝製品(貝刃)は分層貝層の中部から下部のかけて分布していて、上部には分布していません。土器・土製品の分布に似ています。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの貝製品3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの貝製品3D分布モデル

331グリッドから出土した貝製品(全て貝刃)を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの骨製品3D分布モデル


有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの骨製品3D分布モデル画像

3 貝製品3D分布モデルの観察メモ

貝製品(すべて貝刃)は22点出土していて、貝層大区分別内訳は崩落層0、二次堆積崩落層A1、斜面貝層21です。

貝製品は分層貝層の中部から下部のかけて分布していて、上部には分布していません。土器・土製品の分布に似ています。


貝製品分布の11断面オルソ投影図

4 骨製品3D分布モデルの観察メモ

骨製品(骨製装飾品)は分層貝層の中部付近から出土しています。


2025年3月2日日曜日

テストグリッドの土錘の3D分布モデル作成

 Creating a 3D distribution model of soil weights in a test grid


A 3D distribution model was created for soil weights excavated from grid 331 on the northern slope of the shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound. They were mainly excavated from the middle to lower part of the divided shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した土錘の3D分布モデルを作成しました。主に分層貝層中下部から出土しています。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土錘3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土錘3D分布モデル

331グリッドから出土した土錘を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 土錘3D分布モデルの観察メモ

土錘は全部で20点出土しています。

土錘は斜面貝層では主に分層貝層の中下部から出土しています。土錘という漁業道具の廃棄場所が分層貝層中下部(斜面の中下部)に限定されていたということでしょうか。問題意識が生まれます。


土錘の11断面オルソ投影

テストグリッドの朱塗土器の3D分布モデル作成

 Creating a 3D distribution model of vermilion-painted pottery in a test grid


A 3D distribution model was created for vermilion-painted pottery excavated from grid 331 on the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. It was excavated from the middle to lower part of the split shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した朱塗土器の3D分布モデルを作成しました。分層貝層中下部から出土しています。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの朱塗土器3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの朱塗土器3D分布モデル

331グリッドから出土した朱塗を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 朱塗土器3D分布モデルの観察メモ

朱塗土器は全部で12点出土しています。

朱塗土器は斜面貝層では分層貝層の中下部からのみ出土しています。朱塗土器という祭祀的に意義のある土器廃棄の場所が分層貝層中下部(斜面の中下部)に限定されていたということでしょうか。問題意識が生まれます。


朱塗土器の11断面オルソ投影

テストグリッドの土器・土製品3D分布モデル作成

 Creation of a 3D distribution model of pottery and clay products for the test grid


A 3D distribution model of pottery and clay products was created to comparatively observe the 3D spatial distribution of pottery and clay products, stone tools and stones, shell and bone products, and bones and fish bones excavated from 331 grids of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した土器・土製品、石器・石、貝製品・骨製品、骨・魚骨の3D空間分布を比較観察するために、土器・土製品3D分布モデルを作成しました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土器・土製品3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土器・土製品3D分布モデル

331グリッドから出土した土器・土製品を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 土器・土製品3D分布モデルの観察メモ

331グリッドから226点の土器・土製品(全て土錘)が出土しています。

崩落層から39点の土器・土製品が出土し、そのうち基底層からの出土は28点となっています。崩落層基底層から出土した土器・土製品は、ガリー侵食により土器・土製品を含む貝層が崩落し、その中の土器・土製品だけがガリー水流で運ばれてきたものと考えることができます。崩落層基底層より上から出土した土器・土製品は、土器・土製品を含む貝層がブロックとなって崩落堆積したものに含まれているものです。

二次堆積崩落層A(K層)から32点の土器・土製品が出土し、そのほとんどが二次堆積崩落層Aの最上部に分布しています。

斜面貝層から155点の土器・土製品が出土しています。3D分布をみると、分層貝層(このブログでは発掘現場で分層された貝層を分層貝層を呼びます。)それぞれの下部に土器・土製品出土が多くなっています。分層貝層の下部とは、その分層貝層がアクティブであった時期(分層貝層に貝殻が投棄されていた時期)にガリー流路に近かった場所です。常時の水流はなかったと考えますが、水辺的環境(湿地など)が存在していた可能性はあります。土器はそのような斜面下部に好まれて投棄されたと考えることができるか、今後検討を深めます。

(以前の記事で、土器が台地面端から投棄され、斜面利用営力により、斜面下部に移動したと考えましたが、そのような状況を示すデータがある一方、分層貝層の分布をみると斜面を下ってその下部で貝殻投棄が行われた証拠もあるので、土器がどこにどのように投棄され、それがどのように移動したか、今後データを増やすなかで、じっくり思考検討することにします。)


土器・土製品分布の11断面オルソ投影図


2023年6月22日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅠ式土器13点(17破片)3D分布モデル

 North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

Kasori EI type 13 pieces (17 pieces) 3D distribution model


3D coordinates of 13 pieces (17 fragments) of Kasori EI type pottery on the northern slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound were obtained from the map published in the excavation survey report, and a 3D distribution model was created. A negligible amount. However, since the distribution is similar to ornaments (shellfish products), I am looking forward to a comprehensive analysis at a later date.


発掘調査報告書掲載図から有吉北貝塚北斜面貝層の加曽利EⅠ式土器13点(17破片)の3D座標をもとめ、3D分布モデルを作成しました。無視できるような量です。しかしその分布が装飾品(貝製品)と類似するので後日総合分析が楽しみです。

1 加曽利EⅠ式土器3D座標


加曽利EⅠ式土器3D座標

2 有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅠ式土器13点(17破片)3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅠ式土器13点(17破片)3D分布モデル

加曽利EⅠ式土器13点(17破片) 赤CUBE

(CUBEの大きさは30㎝×30㎝×30㎝で表示)

加曽利EⅠ式土器の3D座標は発掘調査報告書グラフから計測

ガリー侵食地形面及び一般地形面は貝層断面図、貝層平面図から作成

等高縞模様は等高線に見立てるとおおよそ60㎝間隔

剥ぎ取り断面図は展示物3Dモデル及び上守秀明氏提供画像から構成


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅠ式土器13点(17破片)3D分布モデル画像 1


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅠ式土器13点(17破片)3D分布モデル 2


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅠ式土器13点(17破片)3D分布モデル動画

3 メモ

有吉北貝塚の集落最盛期は加曽利EⅠ式期です。


有吉北貝塚の時期別竪穴住居数

加曽利EⅡ式土器集中投棄をかんがみると、集落最盛期(加曽利EⅠ式期)には北斜面貝層に土器投棄は一言でいうと「皆無に近い」と言っていい状況です。

しかし、そのわずかに残された加曽利EⅠ式土器破片分布をみると、それが加曽利EⅠ式期集落リーダーが装着した腰飾りを含む貝製装飾品分布と類似します。

「取るに足らない」と最初考えた加曽利EⅠ式土器分布は、貝製装飾品などを埋納した活動に関連していわば非意識的、非意図的に持ち込まれたと考えると、重要な指標になるかもしれません。

後日の総合検討が楽しみです。

加曽利EⅠ式土器までの3D座標取得が終わりました。作業の10%が終わり、ウォーミングアップはここまでです。いよいよ本丸の加曽利EⅡ式土器3D座標取得に取り組みます。


2023年6月20日火曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 中峠式土器34点(69破片)3D分布モデル

 North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

34 pieces of Nakabyo-style pottery (69 small pieces) 3D distribution model


I obtained the 3D coordinates of 34 pieces (69 small fragments) of Nakabyo-style pottery from the pottery fragment distribution map (plan and elevation) published in the excavation report, and created a 3D distribution model. A detailed analysis will be done at a later date, but it is noteworthy information that excavation from collapsed soil can also be seen.


発掘調査報告書土器破片分布図(平面図、立面図)から中峠式土器34点(69破片)の3D座標をもとめ、3D分布モデルを作成しました。詳しい分析は後日行いますが、崩落土からの出土も見られ、特筆すべき情報です。

1 中峠式土器3D座標


中峠式土器3D座標

2 有吉北貝塚北斜面貝層 中峠式土器34点(69破片)3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層 中峠式土器34点(69破片)3D分布モデル

中峠式土器34点(69破片) 赤CUBE

(CUBEの大きさは30㎝×30㎝×30㎝で表示)

中峠式土器の3D座標は発掘調査報告書グラフから計測

ガリー侵食地形面及び一般地形面は貝層断面図、貝層平面図から作成

等高縞模様は等高線に見立てるとおおよそ60㎝間隔

貝層断面図は発掘調査報告書から塗色の上引用

剥ぎ取り断面図は展示物3Dモデル及び上守秀明氏提供画像から構成

有吉北貝塚北斜面貝層 中峠式土器34点(69破片)3D分布モデル画像 1

有吉北貝塚北斜面貝層 中峠式土器34点(69破片)3D分布モデル画像 2


有吉北貝塚北斜面貝層 中峠式土器34点(69破片)3D分布モデル動画

3 メモ

中峠式土器に引き続き加曽利EⅠ式土器の3D座標取得を急ぐことにし、中峠式土器3D分布検討は後日におこなうこうとにします。中峠式土器34点(69破片)3D分布モデルを瞥見するとガリー侵食基底面付近出土、「崩落土」出土のものがかなり観察できて、加曽利EⅡ式期以前、おそらく中峠式期に投棄されたと想像できそうです。詳しい検討が楽しみです。

2023年6月8日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 早期・前期土器17点3D分布モデルの作成

 The Northern Slope Shell Layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound  Creation of 17-point 3D distribution model of earliest and early pottery


I obtained the 3D coordinates of 17 earliest and early pottery from the northern slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound by perusing the excavation research ledger (distribution map of artifacts, inventory of artifacts). I viewed it in Blender3D space and did a preliminary study. This 3D coordinate is information not available from excavation reports.


発掘調査原簿(遺物分布図、遺物台帳)を閲覧して有吉北貝塚北斜面貝層の早期土器・前期土器17点の3D座標を取得してBlender3D空間で表示し、予備検討しました。この3D座標は発掘調査報告書からは得られない情報です。

1 早期土器・前期土器の3D座標取得

有吉北貝塚北斜面貝層から出土した早期土器・前期土器はそれぞれ4点、24点あります。この合計28点土器の3D座標を知るために関連する遺物分布図と遺物台帳を閲覧しました。

遺物分布図と遺物台帳から遺物3D座標を取得する方法は次の記事にまとめてあります。

2023.06.01記事「1986年発掘調査原簿を閲覧して出土遺物の3D空間座標を復元する

遺物台帳を見ると「土器一括」して記載されていて座標記載のないものがあり、結局早期土器1点、前期土器16点合計17点の3D座標を取得することができました。


早期土器・前期土器の3D座標情報の有無


結果として得られた早期土器・前期土器の3D座標情報

この早期土器・前期土器17点をBlender3D空間にプロットしました。

2 有吉北貝塚北斜面貝層 早期・前期土器17点3D分布モデル(注記付)

有吉北貝塚北斜面貝層 早期・前期土器17点3D分布モデル(注記付)

早期土器1点…赤CUBE

前期土器16点…青CUBE

早期土器・前期土器の3D座標は千葉県教育委員会所蔵有吉北貝塚北斜面貝層遺物分布図及び遺物台帳から取得

ガリー侵食地形面3Dモデルは貝層断面図等から作成

貝層断面図、貝層平面図は発掘調査報告書から塗色引用

剥ぎ取り断面図は展示物3Dモデル及び上守秀明氏提供画像から構成

注記

No.1,Ⅱ-50 129,前期土器,土器番号158

No.2,Ⅱ-20 497,前期土器,土器番号114

No.3,Ⅱ-60 387,前期土器,土器番号94

No.4,Ⅱ-21 9,前期土器,土器番号36

No.5,Ⅱ-32 15,前期土器,土器番号22

No.6,Ⅱ-32 1,前期土器,土器番号145

No.7,Ⅱ-48 896,前期土器,土器番号160

No.8,Ⅱ-58 525,前期土器,土器番号32

No.9,Ⅱ-49 690,前期土器,土器番号112

No.10,Ⅲ-40 1531,前期土器,土器番号50

No.11,Ⅲ-62 317,前期土器,土器番号140

No.12,Ⅲ-52 689,前期土器,土器番号86

No.13,Ⅲ-53 355,早期土器,土器番号41

No.14,Ⅲ-64 171,前期土器,土器番号51

No.15,Ⅲ-74 126,前期土器,土器番号69

No.16,Ⅲ-75 33,前期土器,土器番号35

No.17,Ⅳ-18 140,前期土器,土器番号78


有吉北貝塚北斜面貝層 早期・前期土器17点3D分布モデルの画像1


有吉北貝塚北斜面貝層 早期・前期土器17点3D分布モデルの画像2


有吉北貝塚北斜面貝層 早期・前期土器17点3D分布モデルの動画

3 予備検討

3Dモデルの注記No.を使って予備検討しました。

No.1~4はガリー侵食地形谷頭部の急斜面から出土した前期土器です。No.3はガリー侵食地形面より下に位置しています。ガリー侵食地形面は中期土器出土標高を参考に推定しましたので、No.3は中期土器より下に位置していて、中期土器投棄より以前の時期に投棄された可能性があります。

なお、出土遺物がガリー侵食地形面より下から出土するように表現されることは適切ではありませんから、出土遺物が全てガリー侵食地形面より上から出土するようにガリー侵食地形面を作り直す必要があります。

No.5と6は尾根部(鞍部)近くの貝層が途切れる付近から出土しています。この場所には土器出土はほとんどありません。場所的に中期土器投棄活動と関連付けて考えることが困難な場所ですから、中期土器投棄以前に投棄された可能性を考えることができます。

No.7は貝層の上部から出土していますから、左岸上部から投棄された土器が二次的に流動したものと考えます。

No.8は貝層最下部(ガリー侵食地形面直上)から出土しています。中期土器より以前にこの場所に流れ着いた可能性があります。

No.9と10は斜面貝層がつくられる前の「崩落土砂」関連の貝層から出土しているように観察できます。

No.11は貝層最上部から出土していて二次的に流動したもとの考えます。

No.12は貝層中部から出土していて二次的に流動したものと考えます。

No.13~16は貝層が分布しない場所の土層から出土していて、その標高は中峠式土器などより高い場所に位置していることから、二次的に流動したものと考えます。

No.17は想定したガリー侵食地形面よりかなり深い場所から出土していて、この付近の(私が考えた)ガリー侵食地形面想定が間違っていることを示唆しているように感じます。

●予備検討のまとめ

前期土器のうちNo.3、5、6、8、9、10は加曽利EⅡ式土器大量投棄よりも以前にこの場所に持ち込まれた可能性を排除できないことを確認しました。

今後、これらの土器が加曽利EⅡ式土器大量投棄よりも以前にこの場所に持ち込まれた確実な証拠が得られるのか、さらには縄文前期に持ち込まれたものがあるのか、検討を深めることにします。

ガリー侵食地形面3Dモデルは谷頭部と下流出口部では断面図が無いため加曽利EⅡ式土器3Dモデル分布と平面図等から想定で作成しました。しかし、早期土器・前期土器3D分布からその想定の甘さが図らずも露呈しました。今後次のような方向で作成し直すことを目指すことととします。

・谷頭部…出土全遺物の3D座標を調査する機会を得て、その結果と整合する地形面想定を行う。

・下流出口部…出土全遺物の3D座標を調査する機会を得て、その結果を踏まえて、地形面想定が不可能な場所を特定して、その場所の地形面を削除する(表現しない)。

・ガリー侵食地形面とそれ以外の一般地形面を色分けして、ガリー侵食地形面の範囲を明確にする。


2022年10月17日月曜日

加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)の3D分布モデル

 3D distribution of Kasori EII type pottery (10th and 11th group pottery)


I created a 3D distribution model of Kasori EII-type pottery (groups 10 and 11) that were concentrated and dumped in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. I plan to analyze this 3D distribution model by correlating it with the cross section of the shell layer. Just by looking at it, information pops up, and I'm looking forward to the full-scale analysis.


有吉北貝塚北斜面貝層の加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)破片の3D分布モデルを作成しました。北斜面貝層では加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)が集中投棄されています。この3D分布モデルを貝層断面図などの情報と対応させ分析する予定です。瞥見するだけでいままで気が付かなかった情報が浮かび上がってきているので、本格分析が楽しみです。

1 加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)の3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)の3D分布モデル

立方体の大きさは0.3m×0.3m×0.3m

白線は谷頭部縁取線及び貝層断面図基底線

3D distribution model of Kasori EII type pottery (10th and 11th group pottery)

The North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound  3D distribution model of Kasori EII type pottery (10th and 11th group pottery)

The size of the cube is 0.3m x 0.3m x 0.3m

The white line is the border line of the valley head and the base line of the cross section of the shell layer.


「加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)の3D分布モデル」画像


「加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)の3D分布モデル」画像+貝層断面図


「加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)の3D分布モデル」動画

2 メモ

2-1 これまでに作成した土器破片3D分布モデル

・早期土器・前期土器分布モデル(2D分布モデル)

・阿玉台式土器(第2~5群土器)3D分布モデル

・中峠式土器(第6群土器)3D分布モデル

・加曽利EⅠ式土器(第7・8群土器)3D分布モデル

・加曽利EⅡ式土器(第9群土器)3D分布モデル

・加曽利EⅡ式土器(第10・11群土器)3D分布モデル

・加曽利EⅢ式土器(第12群土器)3D分布モデル

2-2 分析の視点

次のような視点で3D分布モデルを分析し、時期別(土器群別)比較を行います。

・分布の拡がり、密集域

・谷頭部分布の特徴

・想定されるガリー流路流心や流路部における混貝土層-土層境界との関係

・堆積砂層との関係

・(流路部以外の)混貝土層との関係

・斜面貝層との関係

・下流部(ガリー地形下流部)土層との関係