2014年2月7日金曜日

5mメッシュ利用域再拡大

花見川流域の小崖地形 その117

2014.02.04記事「5mメッシュ利用拡大」を書いたばかりですが、記事を書く中で5mメッシュがこのブログで特別枢要なツールであることをあらためて再認識しました。

同時に、5mメッシュ利用域をさらに拡大する障害は特段何もないことにも気がつきました。

そこで、利用域を再度拡大して、花見川流域の自然や歴史等を考える際の関連地域の5mメッシュカバー率を抜本的にアップしました。

5mメッシュの利用域(2014.02.07
地形段彩図

2.5万分の1地形図87面分でファイル数(3次メッシュ数)は7686になります。

5mメッシュ数は7686×33750=2.6億になります。

データファイルの容量は3.31GBで、これをGISに取り込むと使用物理メモリーは1.62GB増加して5.64GBとなりました。パソコンには16GBのメモリーを搭載してありますので、メモリー容量の余裕という点では全く問題ありません。

花見川流域の理解を深めるために、地形、古代交通、地名等に関して次のような図に示される範囲について問題意識を拡大してきましたが、そのほとんどの地域について5mメッシュでカバーすることができるようになりました。

古東京湾の堆積環境 鳥趾状三角州期(10-8万年前)
岡崎浩子・増田富士雄(1989):古東京湾の流系、堆積学研究会会報、31号 より引用
2014.01.06記事「印旛沼筋河川争奪メモ」参照)

花見川流域の地形を千葉県北部の下総台地の中で考えるだけでなく、県境という一種の岩盤規制(?)を取り払い、利根川低地とその対岸の茨城県側に拡がる台地地形をも参照しながら考えようというつもりです。

古代(768年~796年頃)の道路体系と東海道水運支路(想定)
基図は「衣河流海古代(約千年)水脈想定図」(吉田東伍著「利根治水論考」、日本歴史地理学会発行、明治43121日)
2013.08.25記事「古代東海道水運支路が機能していた時代推測」参照)

古代交通における花見川地峡の役割を考える際に、現在の印旛沼や霞ケ浦を含んだ香取の海の交通上の意義が判らないで、思考を続けることはできません。香取の海全体について5mメッシュを整備して精細な地形を知ることができるようになったので、古代交通に関する学習・思考も加速することが出来ると思います。



海夫及び霞ケ浦四十八津、北浦四十四ケ津の津々分布図
出典 網野善彦:霞ケ浦・北浦-海民の社会と歴史、1983、網野善彦著作集第10巻、岩波書店
2013.06.27記事「14世紀文書「海夫注文」における戸と津」参照)

戸地名など地名検討についても、以前から千葉県と茨城県という県境で作業を区分けすることが検討を加速するうえで障害であると考えていました。5mメッシュの整備により、これからは例えば香取神宮と鹿島神宮に関連する地名を同時に精細地形を参照しながら検討することができます。

これで、5mメッシュによる精細地形情報をもとに地形、古代交通、地名等の検討を行えるようにできる基盤整備を進めることができました。

参考 地形段彩図のGoogle earth表示

参考 地形段彩図のGoogle earth表示
地形段彩図は半透明

参考 地形段彩図付近のGoogle earth表示

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追記(2014.02.09)

突然のことになってしまいましたが、2014.02.08記事「このブログの棚卸」で述べたように、この記事を持って「花見川流域の小崖地形」を終了します。
このシリーズの内容については強い興味が膨らむばかりですが、体制を立て直してから再度新たなシリーズとして取り組む予定です。
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